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戦国時代×密室殺人が織りなす極上の心理ミステリー『黒牢城』

『黒牢城』 6月19日(金)全国公開

今回ご紹介する映画『黒牢城(こくろうじょう)』は、作家・米澤穂信の同名小説を原作とした作品です。2021年に発表された原作小説は、第166回直木賞と第12回山田風太郎賞を受賞。さらに「このミステリーがすごい!」をはじめとする主要ミステリーランキングを席巻し、史上初の「4大ミステリー賞制覇」という快挙を達成しました。

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本作は、歴史小説でありながら本格ミステリーとしても高く評価されており、「戦国時代×密室殺人」という異色の組み合わせが大きな話題を呼びました。歴史上の有名人物がまるで名探偵のように事件の真相へと近づいていく姿は非常に興味深く、観ているうちに思わず前のめりになってしまう魅力に溢れています。

舞台となるのは、現在の兵庫県伊丹市に実在した「有岡城」です。もともとは伊丹城と呼ばれていましたが、1574年に荒木村重が城主となった際、大改修とともに有岡城と改名されました。作中で描かれる激しい籠城戦や黒田官兵衛の幽閉は、実際にこの城で起きた歴史的事件に基づいています。

時は1578年。織田信長に反旗を翻した荒木村重は、有岡城に立てこもります。その際、信長側から説得に訪れた黒田官兵衛を捕らえ、城内の土牢へ幽閉しました。物語はこの史実から着想を得て展開します。

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外には圧倒的な織田軍、内には不満を募らせる家臣たち――。そんな逃げ場のない極限状態の城内で、ある少年が殺害される事件が発生します。その後も不可解な事件が相次ぎ、城内全体が疑心暗鬼に陥る中、村重は土牢に閉じ込めた敵方の軍師・黒田官兵衛の「知恵」を借りながら、事件の真相を追うことになります。

現代のミステリーのように警察や探偵はおらず、外部との接触も完全に断たれた状況。「犯人は確実にこの城の中にいる」という緊迫感が全編に漂い、観客も登場人物たちと一緒に推理を仕掛けられていく感覚を味わえます。

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特に印象的なのは、荒木村重が家臣たちを集めて話し合うシーンです。「この男ならこう答えるだろう、その場合はこう返そう」と、現代で言う「ABテスト」のようなシミュレーションを事前に重ねて議論に臨む姿からは、戦国時代を生き抜いた武将ならではの圧倒的な知略と頭の回転の速さがリアルに伝わってきます。
また、本作は出演陣も非常に豪華です。しかし、けっして単なる「演技合戦」に陥ることなく、登場人物一人ひとりにしっかりと見せ場が用意されており、作品としての完成度の高さに圧倒されます。

歴史に詳しくない方でも一級のミステリーとして存分に楽しめる一方で、歴史好きや大河ドラマファンにはさらに深く刺さる、まさに珠玉の一作です。

(文/杉本結)

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『黒牢城』
6月19日(金)全国公開

監督・脚本:黒沢清
原作:米澤穂信「黒牢城」(角川文庫/KADOKAWA刊)
出演:本木雅弘、菅田将暉、吉高由里子、青木崇高、宮舘涼太、柄本佑 ほか
配給:松竹

2026/日本映画/147分
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/kokurojo-movie/
予告編:https://youtu.be/ZN2ZiteyriQ?si=ZmRFjUehWG4rPJV8
©米澤穂信/KADOKAWA ©2026映画「黒牢城」製作委員会

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