親から離れても生きづらい人へ 精神科医が説く「子どもをやめる」方法

- 『子どもをやめる本 何をするにも、親の顔が浮かぶ』
- 平 光源
- サンマーク出版
- 1,650円(税込)

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「大人になった。仕事もある。家族もいる。なのに、どこに住もうか考える時も、転職しようか迷う時も、誰かと付き合いを始める時も、ましてや今日の服装を決める時でさえ、親の顔が浮かぶ」(本書より)
そうした人は意外と多くいるのかもしれません。「これ、自分のことかも」と思った皆さんにおすすめしたいのが、精神科医の平 光源氏が著した書籍『子どもをやめる本 何をするにも、親の顔が浮かぶ』です。
「親に支配された子どもでいる自分をやめるための本」というテーマのもとに書かれた本書は、「インナー母(内なる母)」という言葉が大きなキーワードとなります。「インナー母」とは、「長い年月をかけて心の中に住みついた、もう1人の母」(本書より)のこと。医学的にはっきりとした病名があるものではありませんが、「離れていても、亡くなっていても、四六時中、心の中で母の声が鳴り響き、気づかないままその声に従って生きてしまう状態」(本書より)が、生きづらさにつながる可能性があるとされています。
ちなみに、便宜上「母」という言葉が使われていますが、これは必ずしも「産みの母親」だけを指すわけではありません。父親であれ、育ての親であれ、自身の幼少期に最も深く関わり、心の核を形成した存在であれば「インナー母」に当たるそうです。
さて、インナー母に育てられた子どもたちはどのような困難を抱えるのでしょうか。それがわかるのが、8つの生きづらさが記された第2章です。もし、「自己肯定感が上がらない」「頑張りすぎてしまう」「他人と比べてしまう」「子育てで、親の呪いが蘇る」などを日ごろ感じているなら、それはインナー母の影響を受けているのかもしれません。
また、インナー母には「完璧主義型」「心配性型」「世間体型」などの6つのタイプがあり、自分の中にいる母のタイプによっても、受ける影響は変わってくるとのこと。本書では各タイプの「母親像」「典型的なセリフ」「そのインナー母がもたらした『あなたへの贈り物』」「そのインナー母と距離を置くヒント」などについても詳しく解説されています。
ひとつ覚えておいてほしいのが、親の声から自由になることは、親を捨てることとイコールではないということ。
「子どもをやめるとは、悟ることでもなく、完璧になることでもない。『認めてもらえなくても、私はここにいていい』『嫌われても、私は生きていていい』『それでも私は、やりたいことをやっていく』そう思えるようになること」(本書より)
もし生きづらさの原因がインナー母にあるかもしれないと思い当たるようであれば、まずは本書でその正体を明らかにして、そこから精神的に巣立つ方法を探ってみてはいかがでしょうか。
[文・鷺ノ宮やよい]
