『月刊予告編妄想かわら版』2026年3月号
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(3/13公開より)
毎月下旬頃に、翌月公開の映画を各週一本ずつ選んで、その予告編を見てラストシーンやオチを妄想していく『月刊予告編妄想かわら版』五十五回目です。
果たして妄想は当たるのか当たらないのか、それを確かめてもらうのもいいですし、予告編を見て気になったら作品があれば、映画館で観てもらえたらうれしいです。
3月公開の映画からは、この四作品を選びました。
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『スペシャルズ』(3月06日公開)
公式サイト:https://eiga-specials.com/
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=UdAbToF7HZk
『ミッドナイトスワン』などで知られる内田英治監督の最新作はSnow Manの佐久間大介を主演に迎えた『スペシャルズ』。
伝説の元殺し屋であるダイヤ(佐久間)をはじめとした超一流の殺し屋である五人が集められた。「こんな殺し屋集めてどうするつもりだ?」「ダンスチームを組んでもらう。報酬は1億」と答える熊城(椎名桔平)。ミッションはダンス大会に来る裏社会のトップである本条の暗殺だった。
予告編を見ると、児童擁護施設の少女の明香が彼らのダンスの先生となり、特訓が始まることになる。しかし、その大会の決勝に明香も観に来ることになり、彼らは彼女の前で人殺しができるのかという窮地に立たされるようです。
ここからは妄想です。協調性がなく、やる気のなかった殺し屋たちがチームとして成長していき、彼らの先生であり守るべき存在となるのが明香なのでしょう。大会の決勝で彼らのチーム「スペシャルズ」のダンス場面と銃撃シーンも予告編で見ることができます。
ダイヤたちが明香を守り抜き、本条を殺してチーム解散かと思いきや、明香が彼らに殺し屋の弟子入りするというオチかもしれません。もう少し優しいオチなら、ダイヤたちが本条にトドメを刺さなかったことで裏社会での決闘はダンス対決になるというオチもありえます。
『スペシャルズ』
3月6日(金)公開
配給:エイベックス・フィルムレーベルズ
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『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(3月13日公開)
公式サイト:https://happinet-phantom.com/martysupreme/
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=HuhxI96ZK2A
A24と『アンカット・ダイヤモンド』で知られるジョシュ・サフディ監督が組み、主演にティモシー・シャラメを迎えた『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』。
卓球で世界一になるという野望を持つマーティ(ティモシー)は女たらしで、嘘つきで、自己中なサイテー男。
「もうお母さんの面倒は見れない」と叔父に言われ、「俺が金を稼ぐ!」というマーティのセリフがあるようにただのサイテーな男ではないようです。しかし、警察から逃げたり、乗っている車が銃撃されたりとトラブルに見舞われるのも予告編で見ることができます。
ここからは妄想です。と言いたいのですが、実は12月に試写でひと先お先にこの作品を観ました。予告編にあるようにマーティは一言でいうとクズです。でも、卓球にかける情熱や夢を追う姿には惹かれるところがありました。観終わってからまたマーティに会いたいなと思えてしまう、そんな存在でした。
今作でティモシー・シャラメはアカデミー賞の主演男優賞候補になっています。個人的には今作の主演であるティモシー・シャラメにぜひ主演男優賞を取ってほしいです。そのぐらい素晴らしい演技をしているし、代表作のひとつになるような素晴らしい作品になっています。ティモシーは去年公開の『名もなき者』ではボブ・ディランを演じました。この若きスターが大きな栄冠が授かることを祈っています!
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
3月13日(金) TOHOシネマズ日比谷 ほか全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(3月20日公開)
公式サイト:https://projecthm.movie/
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=UiYhedhTAvo
この数年でネタバレ禁止と話題になったアンディ・ウィアーのベストセラーSF小説を、『オデッセイ』も手がけたドリュー・ゴダードが脚本を担当し、「スパイダーバース」シリーズの製作・脚本で知られるフィル・ロード&クリストファー・ミラーが監督を務めた『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。
宇宙に漂う宇宙船の中で昏睡状態から目覚めた髪の毛も髭もぼうぼうのライランド・グレース(ライアン・ゴズリング)。宇宙船には彼しかいないようです。
「地球がヤバいのはわかる。でも、僕の居場所は教室だ」という彼のセリフと中学校で数学教師として生徒に教えている姿があり、それに被さるように宇宙船のプロジェクトのリーダーらしき女性から「世界中が頼りにしてる」と言われているシーンを予告編で見ることができます。
ここからは妄想です。と言いたいのですが、原作小説がネタバレ禁止と言われていたので正月に読んで、そのことに納得しました。しかし、この予告編の二分以降はある種ネタバレしています。もちろん、そこからの展開もおもしろさがあります。一つ言えることはネタバレを踏まずに、この予告編や関連する映像も見ないで劇場に行くのがベストです。
この連載で初めて書きますが、本当に予告編を見ないで、情報をできるだけ入れないで観てほしいと思います。その方がこのSF作品を存分にたのしめるはずです!
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
3月20日(金) 全国公開
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』(3月27日公開)
公式サイト:https://happinet-phantom.com/streetkingdom/
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=Gv0JGi7XsJw
映画『アインデン&ティティ』の銀杏BOYZの峯田和伸主演&宮藤官九郎脚本&田口トモロヲ監督の座組で映像化した『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』。
「たった一年だったけど、東京のパンクは俺たちが作ったっていう事実は絶対に残る」というカメラマンのユーイチ(峯田)のセリフが予告編にあるように、この物語は1978年の一年に起きたロック・シーンに大きな影響を与えた若者たちのムーヴメントを描いているようです。
ここからは妄想です。と言いたいところですが、予告編で「大人じゃないよ、こんなことするのは」とスタッフに言われ、未知ヲ(仲野太賀)が「愛の表現だ」と返すと、「ションベンだよ」と言われてさらに「愛だー!」というシーンがあります。これは田口監督のバンド「ばちかぶり」時代の逸話でしょう。実際のエピソードはもっとひどいので、興味ある方は調べてみてください。
D.I.Y.のスピリットで楽曲も録音スタジオもレコードも作って、インディーズというジャンルを誕生させ、ライブでのオールスタンディングを導入した若者たちの衝動と可能性。現在に続く、音楽史を変えた一年を再体験できる物語を劇場で目撃したいと思います。この映画が流行って70年代後期パンクファッションが流行る未来が訪れるかもしれません。
『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』
3月27日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2026映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』製作委員会
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文/碇本学
1982年生まれ。物書き&Webサイト編集スタッフ。

