強い不安や過剰な心配が続く......それ「全般不安症」かも。悪循環から抜け出すヒント

- 『「いつも不安で頭がいっぱい」がなくなる本 心のざわざわをどうにかしたいあなたへ』
- 清水栄司
- ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 1,870円(税込)

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私たちが生きる上で、「不安」は喜怒哀楽と同じくらい大切な感情の一つです。適度な不安や心配は、リスク管理の上では強力な武器となり、その人のパフォーマンスを高めることにもつながります。けれど、強すぎる不安や過剰な心配が毎日のように続くとなると、充実した日常生活を送る上で支障が出てきてしまいます。
今回紹介する『「いつも不安で頭がいっぱい」がなくなる本 心のざわざわをどうにかしたいあなたへ』は、主に「全般不安症」に悩む人に向けて書かれた書籍です。いつも「不安」だらけの世界にいて、心配ごとが止まらないという人のための「不安の取扱説明書」ともいえる一冊です。
「全般不安症」とは、「仕事、家庭、お金、健康、安全、人間関係、将来などなど、複数のいろいろな事柄について不安になってしまう病気」(本書より)のこと。最近よく聞くようになった「パニック症」が、突然強い不安や恐怖に襲われるのに対し、全般不安症は慢性的に不安が続くことが特徴とされています。
また、うつ病の症状と重なる部分もあるため、うつ病の診断の陰に全般不安症が隠れているケースもあるそうです。本書によると、日本国内には全般不安症を抱える人が推定で約120万人存在するとされており、治療を受けていない人も少なくないとのこと。全般不安症という言葉には耳なじみがなくても、決して珍しい病気ではないことがわかりますね。
そんな全般不安症に対して効果が期待されているのが、考え方(認知)や行動を変えていくことで過剰な不安を軽減させていく「認知行動療法」という心理療法です。精神科や心療内科で専門家から受ける方法のほか、自分自身で認知行動療法的なセルフカウンセリングをおこなう方法もあるといいます。
本書では、認知行動療法の第一人者として知られる精神科医の清水栄司氏が、不安との付き合い方や考え方・行動を見直すヒントについて具体的に解説しています。
たとえば、その一つが「考え方のくせの見える化」です。「認知(思考)」「行動」「感情」の3要素を図に書き出すことで、自分の不安を客観的に整理しやすくなり、不安の悪循環を断ち切る助けになるそうです。また、不安という感情を点数化・数値化することも、不安を冷静に受け止めるのによいそうです。
ほかにも、「不安の方程式」や「RIBEYEメソッド」、「自律神経を整える習慣」、「無理なく変化を起こせる心理療法ACT」など、本書ではさまざまな方法が紹介されています。
皆さんの中には、「なぜこんなに心がざわざわするのだろう。不安に苦しむ自分がおかしいのかも」と悩んでいる人もいるかもしれません。不安のなりやすさには、遺伝的要因と環境要因の両方が関係しているとされますが、清水氏によると、自身の思考のくせに気づき、それを修正していくことで「気持ちがラクになった」という患者も多いそうです。
不安とうまく付き合い、不安に振り回されない自分になりたい。本書は、そんな人の心をそっと支えてくれる一冊です。
[文・鷺ノ宮やよい]
