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残り96分、止まらない緊張感――台湾発ノンストップ列車サスペンス『96分』

『96分』 3月13日(金)より、シネマート新宿ほか全国公開

2025年、台湾映画の興行収入1位を記録した待望の話題作が、ついに日本で公開される。ずっと楽しみにしていた本作だが、劇場公開に加え、なんとNetflixですでに配信されているという点にも驚かされた。

3年前の爆破事件で多くの犠牲者を出したことに責任を感じ、辞職した元爆弾処理班の宋康仁(ソン・カンレン)。3年後、婚約者とともに乗車した高雄行きの高速列車で、再び爆弾テロに巻き込まれる。終着駅まで残り96分という極限状況のなか、犯人は3年前の事件に隠された警察の闇を暴くよう要求する。宋は乗客を守るため、自身の過去の決断と向き合いながら、最後の闘いに挑む。

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正直なところ、「新幹線大爆破」をはじめ、似た雰囲気の作品がすでに多く存在しており、列車内で爆弾事件が起こる映画には、どこか限界があるようにも感じていた。観客側も、爆弾を解除するか、投げ捨てるか、何らかの方法でギリギリ助かるという展開を、ある程度予測できてしまう。だからこそ、「なぜ台湾でここまでヒットしたのだろう?」という疑問を抱きつつ、期待と半信半疑の気持ちで鑑賞した。

本作で印象的なのは、主人公が婚約者とともに列車へ乗り込んでいるだけでなく、実は母親も同じ列車に乗車している点だ。この設定が、物語の中で大きな分岐点のひとつとなっている。主人公はもう立派な大人だが、母親にとってはいつまでも守るべき子どもである。3年前から息子が抱えている苦悩を察しながらも、必要以上に口出しせず、静かに見守ってきた母。その姿からは、子どものためなら何でもしてあげたいという、親としての切実な想いがにじみ出ている。

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列車内を動き回る母親の行動を見ていると、ハラハラする気持ちと同時に、母の視点に立ったときの胸の苦しさが強く伝わってくる。新幹線を舞台に繰り広げられるノンストップアクションはスリルに満ち、大ピンチが何度も訪れる展開に、息をつく暇もない。

「もう新しい新幹線映画は出てこないのでは」と思っていたが、台湾が本気を出すと、ここまでの作品を作り上げるのかと素直に驚かされた。全世代がハラハラドキドキしながら楽しめる、見応え十分の一本である。

(文/杉本結)

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『96分』
3月13日(金)より、シネマート新宿ほか全国公開

監督:ホン・ズーシュアン
出演:リン・ボーホン、ヴィヴィアン・スン、ワン・ポーチエ、リー・リーレン
配給:ハーク

原題:96分鐘
2025/台湾/120分
公式サイト:https://hark3.com/archives/2264
Netflix:https://www.netflix.com/jp/title/82162575

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