国家機密計画に隠された謎の生物の正体は?『プロジェクト・サイレンス』
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『プロジェクト・サイレンス』 2月28日(金)より新宿バルト9ほか全国公開
息をするのも忘れてしまうほどのパニックスリラーに出会ってしまいました。
韓国映画の次代を担う才能キム・テゴンが監督・脚本を務め、共同脚本には、『新感染 ファイナル・エクスプレス』のパク・ジュスクと、『神と共に』シリーズ監督のキム・ヨンファ。撮影監督は『パラサイト 半地下の家族』のホン・ギョンピョ。主演は『パラサイト 半地下の家族』や『最後まで行く』などのイ・ソンギュン。さらに、『神と共に』シリーズやNetflixドラマ「キングダム」のチュ・ジフンがイメージを覆すビジュアルと軽やかな演技で新境地を開拓したほか、『新感染 ファイナル・エクスプレス』のキム・スアン、韓国の重鎮キム・ヒウォン、ムン・ソングン、イェ・スジョンらが脇を固めています。つまり、現在の韓国映画のアベンジャーズといえるくらいに最強のスタッフ、キャストが集まって製作された作品となっております。
舞台は、海に囲まれた空港大橋。国家安保室の行政官ジョンウォンは、留学に旅立つ娘を空港へ送る途中に橋上で激しい玉突き事故に巻き込まれてしまう。その橋の玉突き事故に巻き込まれた車の中に国家機密計画「プロジェクト・サイレンス」で移送中の軍事実験体「エコー」の姿が...。一体「エコー」とは何者なのか? 混乱の中、タンカーの横転により有毒ガスが蔓延、電波喪失により通信障害が発生、さらに救助のヘリコプターは墜落。爆発で崩壊の危機にさらされた橋の上に取り残された生存者は116人。全方位逃げ場のない絶望的状況の中、一寸先も見えぬ霧闇の中、生存者全員が制御不能となった〈エコー〉の標的に。地獄絵図と化した橋で、"最悪"の連鎖が人々を襲い──。
本作の素晴らしいところは、玉突き事故にあう人たちの序盤に少しずつ置いてきた布石を綺麗に摘み取り回収していたところにあると思いました。一人ずつの特技を活かしてそれぞれがピンチを跳ね返す材料になっていくところに爽快感を感じました。ここでそれが役立つ時がきたのね!と意外な瞬間に活躍するので意外性もあり作品の厚みを増す結果に繋がったように感じました。
一つの事故からこれでもかというくらい災厄の連鎖に巻き込まれる姿にこちらも早くそこから逃げ出してと一緒に逃げている感覚になることもあるくらい引き込まれる演出でした。
ラストの展開が予想できないところも最後まで楽しめた要因だと思います。今年も韓国映画から目が離せそうにありません。
(文/杉本結)
『プロジェクト・サイレンス』
2月28日(金)より新宿バルト9ほか全国公開
監督・脚本: キム・テゴン
出演:イ・ソンギュン、チュ・ジフン、キム・ヒウォン
配給:ハピネットファントム・スタジオ/ショウゲート
原題:탈출: 프로젝트 사일런스 英題:PROJECT SILENCE
2024/韓国/96分
公式サイト:https://projectsilence.jp
予告編:https://youtu.be/1cCy1K3GO34
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