学術研究が裏付ける「やめたほうがいい思考」とは? 現代人が意識したい25の思考習慣

考えてはいけないことリスト
『考えてはいけないことリスト』
堀田 秀吾
フォレスト出版
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 一説によると、「現代人が一日に受け取る情報量は、中世の人の一生分に匹敵する」という話があるそうです。スマートフォンを開けばニュースにSNS、メール、街へ出れば看板やポスター、電車内の広告や液晶画面が目に入ります。私たちは、情報の渦の中で暮らしていると言えるでしょう。そうした環境では、意識しなくても思考が刺激され続ける状況が生まれます。

 「この現代においては、考えることと同様に大切なのが『考えない』という選択肢です」と言うのは、言語学者の堀田秀吾さんです。世界中の学術研究にもとづいた「考えてはいけないこと」と「考えないための方法」を紹介し、思考の呪縛から解き放つ道を提案してくれるのが、堀田さんの著書『考えてはいけないことリスト』です。

 本書では、"考えても何も得られない思考"を5つの領域に分類しています。第1章の「他人からの評価不安」、第2章の「過去への振り返り」、第3章の「未来への不安」、第4章の「自己評価や自己対話」、第5章の「反すう思考」です。

 たとえば、仕事や友人関係、SNSなどにおいて、「自分は周囲(あの人)からどう思われているのか」が気になる場面は多くあります。堀田さんは、ミネソタ大学の心理学者レオン・フェスティンガーが1954年に提唱した「社会的比較理論」や、ケース・ウエスタン・リザーブ大学のボーマイスターらが実証した「ネガティビティ・バイアス」を紹介し、人が他者の評価を気にしやすい理由を説明しています。

「人の目を気にすることは、一時的には人間関係をスムーズにするかもしれませんが、長い目で見れば自分らしさや心の健康を損なうことにつながってしまう」(本書より)

 他人の評価から距離を取るためのポイントとして、「自分の『比較するクセ』に気づくこと」や、「比較の矛先を『他人』ではなく『過去の自分』に向けること」などを挙げています。

 本書を通して繰り返し示される考え方のひとつが、「自分軸」です。他人の感情や評価は自分ではコントロールできないため、自分自身の判断や行動に意識を戻すことの重要性が述べられています。

 このほかにも、「過度な同調思考」「後悔回避思考」「防衛的悲観」「べき思考」「自己否定」など、具体的に25項目の「考えてはいけないこと」が解説されています。さらに最後の第6章では、「考えてもいいことリスト」も。

 「考えてはいけないこと」を減らし、「考えてもいいこと」を増やすことで、自然と幸福感は高まり、私たちの人生はより生きやすいものになっていくでしょう。その実践書して本書を活用してみてはいかがでしょうか。

[文・鷺ノ宮やよい]

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