もやもやレビュー

低予算ホラーの新星『SKINAMARINK/スキナマリンク』。北米大ヒットの恐怖体験が日本にやってくる

『SKINAMARINK/スキナマリンク』 2月21日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、池袋HUMAXシネマズほか全国ロードショー

低予算で作られたホラー映画といえば『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999年)や『パラノーマル・アクティビティ』(2007年)など異例のヒット作となることが数年に一度ありましたね。そしてこの度、カナダで作られた低予算ホラー『SKINAMARINK/スキナマリンク』が、北米で大ヒット。これまでの低予算ホラーと比較され「史上最も恐ろしい映画」とも評されたこの作品が、いよいよ日本上陸です。2025年2月21日(金)より全国公開される本作は、あえて暗く粗いデジタル映像で撮影され、VHSのノイズを思わせる懐かしくも不穏なビジュアルが特徴です。

舞台は真夜中の薄暗い一軒家。幼い兄妹、ケヴィンとケイリーがふと気づくと、家中の窓やドアが消えてしまっています。さらに、家の中には"何か"得体の知れない存在が潜んでいる様子。粗い映像の中で映し出されるのはテレビやおもちゃ、人形など。子どもがいる家庭では一般的な光景も、本作では全てが恐ろしく見えてきます。

本作でメガホンをとったカイル・エドワード・ボール監督は、YouTubeで低予算の短編映画を制作し、自身のBite Sized Nightmaresチャンネルで視聴者から提案された悪夢を映像化することで、映画制作のスキルを磨いたそう。『SKINAMARINK/スキナマリンク』は、そんな彼の長編映画デビュー作です。

本作の興味深い点は、見る人によって恐怖のポイントが異なること。繰り返し流れるカートゥーン映像や、ボサボサの髪の人形、乱雑に散らばった玩具......。これらは幼少期の記憶に触れるアイテムであり、人それぞれ異なる不安感や恐怖を呼び起こします。そのため「まったく怖くない」と感じる人もいれば、「人生で最も恐ろしい映画」と評価する人もいるはず。この世界に没入するため、ぜひ劇場で見てもらいたい一本です。

(文/トキエス)

***
『SKINAMARINK/スキナマリンク』
2月21日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、池袋HUMAXシネマズほか全国ロードショー

監督・脚本:カイル・エドワード・ボール
出演:ルーカス・ポール、ダリ・ローズ・テトロー
配給:ショウゲート

原題:SKINAMARINK
2022 年/カナダ/100 分
公式 HP:https://skinamarink.jp/index.html
予告編:https://youtu.be/0gHF87ocJ3Q
© MMXXII Kyle Edward Ball All Rights Reserved

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム