『月刊予告編妄想かわら版』2024年12月号
『私にふさわしいホテル』(12/27公開)より
毎月下旬頃に、翌月公開の映画を各週一本ずつ選んで、その予告編を見てラストシーンやオチを妄想していく『月刊予告編妄想かわら版』四十回目です。
果たして妄想は当たるのか当たらないのか、それを確かめてもらうのもいいですし、予告編を見て気になったら作品があれば、映画館で観てもらえたらうれしいです。
12月公開の映画からは、この四作品を選びました。
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『冬物語』(12月06日公開)
公式サイト:https://fuyumonogatari.com/
予告編:https://youtu.be/aHbaqDBwSWM
CMディレクターの奥野俊作が監督・脚本を手掛け、近年の日本映画には欠かせない存在になってきた松浦裕也が主演を務めた『冬物語』。
青森県弘前市のCDショップでバイトをしている脚本家の山中(松浦裕也)。東京からやって来た大島(山本奈衣瑠)に山中が一目惚れをする。しかし、予告編では冒頭から山中と深い関係に見える美しい女性とのやりとりも見ることができます。
「わたし時々見えるんですよ、生き霊が」と大島のセリフもあり、美しい女性は山中に取り憑いている存在のようですが....。
ここからは妄想です。山中に憑いているのが「生き霊」だとすると、彼女はどこかでまだ生きているのでしょう。あるいは大島が「山中さんの人生って、山中さんの脚本みたいな人生なんですか?」と彼に聞いているシーンも予告編にあり、この物語は山中と大島の現実世界だけなく、彼の書いた脚本世界も混ざり込んでくるかもしれません。
美しい女性とのやりとりはかつて山中が本当に過ごした日々かもしれませんが、彼が書いた脚本の人物の行動かもしれません。山中と大島は一緒に彼の書いた物語の中に入り込んでいき、彼女に会いに行って成仏させます。
最後は大島が目覚めると真っ白の雪の上で眠っていて、彼女を起こしたのが山中だった。という雪が見せた奇跡みたいな終わり方はどうでしょうか?
『冬物語』
12月6日(金)より全国順次公開
配給:東京シネマトグラフ研究会
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『はたらく細胞』(12月13日公開)
公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/saibou-movie/
予告編:https://youtu.be/N2IqqY6Exq0
シリーズ累計発行部数1000万部を超えるメガヒット漫画を、『翔んで埼玉』の武内英樹監督が映像化した『はたらく細胞』。
細胞を擬人化した今作では、人間の親子として父の漆崎茂(阿部サダヲ)と娘の日胡(芦田愛菜)が登場。茂は不規則な生活をしており、日胡は健康的な生活習慣で過ごしているという正反対の生活のようです。
赤血球(永野芽郁)と白血球(佐藤健)を含めた細胞たちが、宿主である人間の健康のために毎日楽しく働いている姿が予告編で見ることができます。そんな中、日胡が急に体調を崩して倒れてしまう。どうやら彼女の体内に危険な病原菌たちが入り込んできてしまい、彼女の健康が危ぶまれる事態になっていくようです。
ここからは妄想です。赤血球と白血球の二人以外にもキラーT細胞(山本耕史)にNK細胞(仲里依紗)にヘルパーT細胞(染谷将太)に肝細胞(深田恭子)など豪華すぎる細胞(役者)たち、彼らと戦う最強の敵はSEKAI NO OWARIのFukaseが演じており、キャスティングをした人が妄想した最強の配役にすら見えてきます。
体内にいる細胞がどういう役割をしていて、私たち人間の生命が維持されているのかをエンタメとして楽しみながら観ることができます。これは最強の教育にもなる正月映画です。ぜひお子さんがいたら連れて行ってみてください!
『はたらく細胞』
12月13日(金)全国公開
ワーナー・ブラザース映画
©清水茜/講談社 ©原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 ©2024映画「はたらく細胞」製作委員会
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『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』(12月20日公開)
公式サイト:https://saint023movie.jp
予告編:https://youtu.be/CrsTsZ-0QXw
『今日から俺は!!劇場版』、『銀魂』シリーズの福田雄一監督が完全実写化で挑んだ『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』。
神の子イエス(松山ケンイチ)と目覚めた人ブッダ(染谷将太)は下界でバカンスを楽しんでいた。彼らがゆるーい日常を過ごしていると天界から使者(梵天:賀来賢人)がやってくるのを予告編で見ることができます。その後、全宇宙の神々たちが地球でバカ騒ぎするかのような戦いが始まる。福田監督がかつて手掛けた映画『女子ーズ』もメンバーが入れ替わって登場するオールスターバトルになっているようです。
ここからは妄想です。予告編を見るだけでも佐藤二朗、山田孝之らを筆頭に福田雄一監督作品の常連たちが出まくってます。もう、これは「福田雄一ムービーフェスティバル」でしょう。難しいことはいいからポップコーンを食べながら楽しく映画を観たい人にはうってつけな作品になっているはずです。
個人的には十一面観音(仲野太賀)とイエスの弟子ヨハネ(神木隆之介)辺りが堕天使ルシファー(藤原竜也)と悪巧みして二人の前に立ちはだかったりしないかな、と期待しています。最後は立川でのゆるーい日常に戻って、今回のことを漫画にしよう、みたいな話から二人が漫画を描き始めるという終わり方もありえそうじゃないですか?
『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』
12月20日(金)全国ロードショー
配給:東宝
©中村光/講談社 ©2024映画「聖☆おにいさん」製作委員会
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『私にふさわしいホテル』(12月27日公開)
公式サイト:https://www.watahote-movie.com/
予告編:https://youtu.be/MUVVKKWQugw
柚木麻子の原作小説を『SPEC』シリーズを手掛けた堤幸彦監督が主演にのんを迎えて映画化した『私にふさわしいホテル』。
「男尊女卑クソジジイ!」とイラついた表情で声に出している新人作家の加代子(のん)。大御所作家の東十条宗典(遠藤憲一)が書評で彼女のデビュー作を酷評し、次の作品を発表する場所を得られなかったことがその理由のようです。
東十条への恨みを晴らすために加代子は憧れの「山の上ホテル」の従業員になりすまして、彼の部屋で書きかけの原稿にシャンパンをかけてみたりなど様々な方法で復讐をしている様子も予告編で見ることができます。
ここからは妄想です。予告編では編集者の遠藤(田中圭)から「本当の才能を活かす方法を思いついた。やってみるか?」と言われた加代子は「もちのろんです」と答え、名前を変えて再デビューするかのようなシーンも見ることができます。
下剋上エンタテインメントというのであれば、東十条との復讐バトルを別のペンネームで文壇の人にはわかる小説として描いて評価されるという展開もありえるかもしれません。そして東十条も加代子のバトルに乗ってきて、二人とも互いを罵る作品をどんどん出していきます。最終的には加代子の売り上げが勝って、東十条が彼女のことを作家として認めて白旗をあげるという終わり方かもしれません。
『私にふさわしいホテル』
12月27日(金)全国公開
配給:日活/KDDI
©2012 柚木麻子/新潮社 ©2024「私にふさわしいホテル」製作委員会
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文/碇本学
1982年生まれ。物書き&Webサイト編集スタッフ。