登場人物が真顔で延々とバカをやらかす『最終兵器ムスダン』

- 『最終兵器ムスダン』
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話題にのぼる韓国映画は大体傑作のため、日本に渡ってきた作品なのだし最低でも良作なのだろうと視聴を始めたが甘かった。人間関係とか登場人物たちの都合が訳ありのように描かれるが何ら作中で説明しないまま進むストーリーや度を超えたご都合主義など、B級映画のあるあるを集めたかのような作品。とは言え制作陣はちゃんとしたものを作ろうとした形跡はところどころに見られ、当たり前だが韓国映画にも笑えない駄作があるんだなぁと妙な関心をしてしまう。
韓国と北朝鮮の国境に位置する非武装地帯で兵士の失踪や殺害が相次ぎ、チョ大尉ら6人の特任部隊は軍から24時間以内に実態を把握するよう指令を受ける。チョ大尉らは現地に向かうと即座に隊員の1人が失踪。消えた隊員の帽子には浮き草が付着しており、湿地帯を探索するとそこには南北の兵士たちの死体があり――という内容。
紹介ページにはアクションサスペンスと記載され、ここから謎解きが始まるのかと思っていたら生化学の専門家であるシン中尉が神経系の薬剤が死体から検出されたことをもってUMAの仕業だと言い出した。神経系の薬剤を振りまく未確認生物とは何なのか。
そんなツッコミをよそにチョ大尉らは探索を進め近くの廃墟に向かうと、そこにいたのは北朝鮮兵と謎の怪物。まさかUMAが本当に出てくるとは。サスペンスとは?と考え込んでしまう。
戦闘が終わると、先ほどUMAの存在を主張していたシン中尉が同行したのは北朝鮮のウイルス兵器のサンプルを持ち帰るよう極秘で命じられていたと告白。告白する雰囲気でもないのに。
戦闘の途中で捕まえた北朝鮮兵を拷問すると神経系の薬剤はウイルスに感染させることで人を狂暴化させる北朝鮮の兵器ムスダンだと判明する。拷問された兵士以外で捕虜となった北朝鮮の兵士の1人であるチョルがウイルスの保菌者は彼の親友であり既に手遅れなので死で救済してやりたいと言い出す。廃墟に爆弾を設置し、自分がおとりとなって保菌者の友人もろとも爆死するとのこと。
そこに保菌者で怪物となったチョルの友人が現れるが、チョルが自爆すると言っているのにシン中尉が怪物に飛び掛かる。そのせいでチョルは殺害されシン中尉は物陰に隠れてしまいチョ大尉も爆弾を抱えて怪物に飛び掛かる羽目に。
チョ大尉に爆弾ごと撃ち抜くよう言われたシン中尉は増援部隊に救助されるも爆殺したせいでサンプルがない旨を報告。
その後、シン中尉が体の異変に気付き自身もウイルス感染したことを知って絶望する中エンドロールへ。ウイルス兵器に掴みかかったらそりゃそうだろう。
出演者の皆さんが真顔で延々とバカなことをやり続ける87分で、二束三文の予算で作ったのか?と疑いたくなる出来だった。それでも出演者は豪華キャストらしく、金をかけたところで面白くなる訳でもないことを再確認させられた作品だった。
(文/畑中雄也)

