もやもやレビュー

墓に隠された怖しい秘密を掘り返す『破墓/パミョ』

『破墓/パミョ』 10月18日(金)公開

第74回ベルリン国際映画祭でワールドプレミアとして上映され、第60回百想芸術大賞で監督賞・主演女優賞・新人男優賞・芸術賞を受賞した超話題作が遂に日本でも劇場公開! 『新感染 ファイナル・エクスプレス』『パラサイト 半地下の家族』を超えて、韓国で約1,200万人を動員し、『犯罪都市 PUNISHMENT』『インサイド・ヘッド2』を抑えて、7週連続第1位を記録した、2024年韓国No.1大ヒットスリラー『破墓/パミョ』。

いつになったら日本では見られるのかずっと気になっていました。日本では1000万人突破する作品ってその年の顔となる作品となるのですが、なかなか実写の邦画でそのような作品はなくアニメ映画ばかりの傾向にあります。なので韓国で1200万人ってすごいなと思っていました。

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墓地を見る風水師、お祓いを行なう巫堂(ムーダン)、改葬を仕切る葬儀師、祈祷を捧げる巫堂(ムーダン)。4人が掘り返した墓に隠された恐ろしい秘密とは......?

風水師サンドク役に、第57回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した『オールド・ボーイ』にて主人公を演じた演技派俳優チェ・ミンシク。巫堂ファリム役に、韓国で社会現象を巻き起こした「トッケビ 〜君がくれた愛しい日々〜」にてコン・ユの花嫁を演じた人気女優キム・ゴウン。葬儀師ヨングン役に、韓国で5週連続第1位を記録した『コンフィデンシャル/共助』にてヒョンビンの相棒を演じた個性派俳優ユ・ヘジン。巫堂ボンギル役に、第59回百想芸術大賞で作品賞・主演女優賞・助演女優賞を受賞した「ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜」にてソン・ヘギョの協力者を演じた若手俳優イ・ドヒョン。
また、監督・脚本は、韓国で500万人を突破した『プリースト 悪魔を葬る者』、Netflixで世界に配信されている『サバハ』にて演出を手掛けたジャンル映画の鬼才チャン・ジェヒョン。まさにみたかった役者達と製作陣の豪華共演!

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奇妙なことが起こる一族からの依頼で動き出す4人は先祖からの祟りではないかと先祖がゆっくり休めるように原因を探すためお墓を掘り起こす。なかなか解決しない問題から浮かび上がってくる何かの正体とは......?

本作、まさかの日本語スタートで驚いた。先祖と自分の向き合い方について深く考えながら鑑賞する良い機会になったように思う。昔の日本家屋は仏間がどの家庭にも存在して線香をあげることも日課としていただろう。今も田舎に帰れば、まず仏間に行って手を合わせる。それは、子ども達もいつの間にか自然とできるようになっている。そうやって先祖は大事にしていくのだろう。
だけど、核家族化が進み、狭い家の中には仏間もないし線香を毎日あげることもない。近年、お墓さえ作らない選択をすることも珍しいことではなくなってきた。また、墓じまいをする家庭も増えてきている。これからお墓ってどのようになっていくのだろう。

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自分はどこのどんなお墓に入るんだろうか?本当に鑑賞中、様々なことを考えながら「なにか』の正体について考えていた。
これで終わり?と思ってから最後の1時間がとても面白かった。話が進むにつれて展開が読めなくなって続きが気になり没入していっていた。

韓国の都市伝説「日帝が朝鮮半島の運を断ち切るために刺した呪いの釘」から構想を得たオカルトホラー作品なのだが演出がとても丁寧で恐ろしく出来上がっていた。
都市伝説に大人が本気で挑んでいくホラーとサスペンススリラーが掛け合わさった秀作だった。

(文/杉本結)

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『破墓/パミョ』
10月18日(金)公開

監督・脚本:チャン・ジェヒョン
出演:キム・ゴウン、ユ・ヘジン、イ・ドヒョン ほか
配給:KADOKAWA、KADOKAWAプラス

2024/韓国/134分
公式サイト:https://pamyo-movie.jp/index.html
予告編:https://youtu.be/26uUyI1yIMc
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