今年見るべき、衝撃の実話『サウンド・オブ・フリーダム』
『サウンド・オブ・フリーダム』 9月27日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ他にて全国公開
今年みた作品の中で1番心打たれた作品を紹介したい。
本作は誘拐、人身売買、性的虐待などの犠牲となった少年少女を救い出すために過酷なミッションに挑んだ実在の人物ティム・バラードの闘いを基にした衝撃作である。
大人の事情で撮影から劇場公開までアメリカでも3年の月日が必要だった本作。この作品、なんとアメリカ公開初日『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』を抑えて第1位を記録している。2023年全米映画興収トップ10にも、ランクイン。
冒頭から次々と子ども達が人さらいにあう様子が映し出される。遊んでいる子供の横をバイクが通り過ぎるその瞬間子どもが拐われる。バッグをひったくるのと同じように子どもがふわっと抱き抱えられて拐われていた。
その光景だけでもショッキングな映像だが、そこからの子ども達は生き残るために必死に見知らぬ大人の言うことを聞くしかない。
そんな子ども達を救うため、ティムが南米コロンビアに潜入する。ワケアリの前科者、資金提供を申し出た資産家、さらに地元警察と手を組み、大規模なおとり作戦を計画する。鑑賞中はもしかしたら作戦がバレてしまうのではないかとハラハラしながら鑑賞した。
児童ポルノ犯罪の悪質さと犯罪がなくなることがないことの意味を考えさせられた。
最近では、子どもが水着を着た可愛い写真をSNSにあげる親も増えている。だけどその写真本当にSNSに載せる必要はあるのか? いま一度考えて欲しい。見知らぬ人が良からぬことに消費する対象となっていることがあるということを親として知らなくてはいけない。
世界ではこのような出来事がたくさん起こっている。そのことをまずは知って1人でも多くの人に知ってもらう必要がある。
劇中では、辛いことにNOということは死に繋がると子どもながらに感じとって反抗する子どももいない世界。そこでは自由に発言することさえできずにいたのだろう。そんな子ども達が自由に歌うことができたら。そういった思いが題名からも感じとれた。
1人でも多くの子どもが辛い思いをしないですむ世の中になって欲しい。そのための第一歩として本作を観ることで、世界でどんなことが起こっているか知り1人が1人に広めたら大きく広がるだろう。今年見るべき映画の一本だと思う。
(文/杉本結)
『サウンド・オブ・フリーダム』
9月27日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ他にて全国公開
監督:アレハンドロ・モンテベルデ
出演:ジム・カヴィーゼル、ミラ・ソルヴィーノ、ビル・キャンプ
配給:ハーク
2023/アメリカ/131分
公式サイト:https://hark3.com/freedom/
予告編:https://youtu.be/R_4fFt5AS48
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