「負け」を知る人に勇気を与える『ネクスト・ゴール・ウィンズ』

『ネクスト・ゴール・ウィンズ』 2月23日(金・祝) 全国ロードショー

『ジョジョ・ラビット』や『ソー:ラブ＆サンダー』などで知られるタイカ・ワイティティ監督の最新作『ネクスト・ゴール・ウィンズ（原題：Next Goal Wins）』。2023年トロント国際映画祭でワールドプレミアが行われた本作は、2014年に公開された同名ドキュメンタリーにインスパイアされた一本です。これまで勝負などで「負け」を経験した人に、勇気と感動と笑いを届けてくれる作品でした。

　オランダの元サッカー選手であるトーマス・ロンゲン監督（演：マイケル・ファスベンダー）。彼は成績不振で知られるアメリカ領サモア代表のサッカーチームの立て直しを任され、ワールドカップの出場を目指します。しかしチームを集めてみると、「サッカーって楽しいものでしょ？」という考えるジャイアや、「"白人の救世主"なんかお断り」というダルーなど、トーマスが頭を抱えたくなるような選手ばかり。彼は選手との関係を嫌々ながらスタートさせますが、いつしかチームの明るさなどに感化されていきます。

　ちなみにサモアは過去、オーストラリアに31-0で大敗し、最悪の形で歴史に名を残したことがあります。本作の基になったドキュメンタリー作品の邦題は『ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦』。ちなみに本作の予告編にはタイカ・ワイティティ監督のインタビューが挿入されており、彼はサッカーのことを全く知らなかったにも関わらず、「逆境に打ち勝つ」というストーリーに惹かれてこのプロジェクトに参加したと説明していました。

　さらにタイカ・ワイティティ監督は本作に出演もしており、彼の映画らしいユーモアたっぷりな作品に仕上がっているため、心を温めたいし、笑いたい！という方はぜひ。

（文／トキエス）

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