もやもやレビュー

笑って泣ける『カラオケ行こ!』

『カラオケ行こ!』 1月12日(金) 全国公開

本作、予想以上に声を出して笑える作品だった。終始、笑いながら映画を観たのは久しぶりだったように思う。

合唱部部長の岡聡実(齋藤潤)はヤクザの成田狂児(綾野剛)に突然カラオケに誘われ、歌のレッスンを頼まれる。組のカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける"恐怖"を回避するため、何が何でも上達しなければならないというのだ。狂児の勝負曲は X JAPAN の「紅」。聡実は、狂児に嫌々ながらも歌唱指導を行うのだが、いつしかふたりの関係には変化が...。聡実の運命や如何に?そして狂児は最下位を免れることができるのか?

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まさかの中学生×ヤクザの友情が描かれる。しかも、2人が一緒にいるシーンはだいたいが車中かカラオケボックスと2人きりの密室ばかり。そのシチュエーションだけでも回を重ねることで笑えてくるから不思議だった。何度も似たシーンを観ているはずなのに新鮮な気持ちでみられたのも凄く良い。

原作と違う設定も違和感なく楽しめたし、脇役だったはずのキャラクター達がいい味を出していたことで作品の面白さがアップしていたように思う。そして、ラストはまさかのうるうる。原作は読まずに行った方がもっと泣けるのかもしれない。友情に歳の差はないのだと思える、笑って泣ける作品だった。

(文/杉本結)

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『カラオケ行こ!』
1月12日(金) 全国公開

監督:山下敦弘
原作:和山やま(ビームコミックス/KADOKAWA刊)
出演:綾野剛、齋藤潤 ほか
配給:KADOKAWA

2024/日本映画/107分
公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/karaokeiko/
予告編:https://youtu.be/TfPKOSpura0
©2024『カラオケ行こ!』製作委員会

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