『月刊予告編妄想かわら版』2026年4月号
『SAKAMOTO DAYS』(4/29公開より)
毎月下旬頃に、翌月公開の映画を各週一本ずつ選んで、その予告編を見てラストシーンやオチを妄想していく『月刊予告編妄想かわら版』五十六回目です。
果たして妄想は当たるのか当たらないのか、それを確かめてもらうのもいいですし、予告編を見て気になったら作品があれば、映画館で観てもらえたらうれしいです。
4月公開の映画からは、この四作品を選びました。
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『OCHI!-オチ-』(4月3日公開)
公式サイト:https://a24jp.com/films/ochi/
予告編:https://youtu.be/DWmU_J6Vg_A
A24×MV出身の映像作家アイザイア・サクソンによるノスタルジック・ファンタジー映画『OCHI!-オチ-』。
昔から恐れられてきた森の生き物〈オチ〉、心を閉ざす孤独な少女のユーリはひとりぼっちの小さな〈オチ〉と出会う。ユーリが部屋で小さな〈オチ〉を森に帰そうと準備をしていると兄(フィン・ウォルフハード)が猟銃を持ってきて、「それ何?」と問いただすものの、窓から飛び降りるシーンも予告編で見ることができます。ユーリの父は〈オチ〉に娘がさらわれたと思いこみ、村人を集めて狩りを始める。また、ユーリと〈オチ〉は家をかつて出て行った母の元にいくようです。
ここからは妄想です。ユーリが〈オチ〉に対して、「私はこの子を見捨てない」、また彼女の兄が川で手を伸ばして「僕らは家族だ」と言っている場面もあります。〈オチ〉はある種、架空の生き物のようですが、ユーリは〈オチ〉と旅をする中で、失っていた感情を取り戻し、そして、おそらくは母が出て行って失われた家族の絆を〈オチ〉を通して深めるのではないでしょうか?
最後はやはりユーリが小さな〈オチ〉の両親の元に送り届けるハッピーエンド、そして〈オチ〉と意思疎通ができるようになった彼女は人間界と〈オチ〉たちの世界を行き来できることで、二つの世界を繋げる存在になるのではないでしょうか?
『OCHI!-オチ-』
4月3日(金) 全国公開
配給:ハピネットファントム・スタジオ
© 2024 KURKAMART LLC AND IPR.VC FUND II KY. ALL RIGHTS RESERVED.
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『炎上』(4月10日公開)
公式サイト:https://enjou-movie.jp/
予告編:https://youtu.be/9r4-J8V3r9s
映画『国宝』『秒速5センチメートル』やドラマ『ひらやすみ』と話題作に出演が続く森七菜が主演、長編映画デビュー作『WE ARE LITTLE ZOMBIES』で日本映画として初めてサンダンス映画祭で審査員特別賞・オリジナリティ賞に輝いた長久允監督の最新作『炎上』。
厳格な父親にきびしくしつけられた少女のじゅじゅ(森七菜)が見つけて、たどり着いた居場所は新宿歌舞伎町のトー横だった。「トー横は穴だらけの児童館みたいなもんなんだよ」「簡単に真人間になんてなれないからな」というセリフや、ラブホテルの映像などがあり、じゅじゅが徐々に闇の世界に入り込んでいく姿を予告編で見ることができます。
ここからは妄想です。予告編の冒頭には、「新宿歌舞伎町、無職十代女性による放火事件」というナレーションがあります。「炎上」に「放火」というワードから三島由紀夫の『金閣寺』が浮かびました。じゅじゅが歌舞伎タワー、いや、TOHOシネマズ新宿のゴジラに火をつけて燃やす。燃え上がる光景は画になりそうです。
最後は『金閣寺』の著者の三島由紀夫が自決後に斬首されたように、じゅじゅのことを独占したいトー横の仲間の誰かに彼女は放火後に殺されてしまい、その生首が広場に転がって終わるというラストはどうでしょうか? トー横に歌舞伎町にこだまする悲鳴で終わっていく、そんな映画も劇場で観てみたいです。
『炎上』
4月10日(金) 公開
配給:NAKACHIKA PICTURES
©2026映画「炎上」製作委員会
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『これって生きてる?』(4月17日公開)
公式サイト:https://www.searchlightpictures.jp/movies/isthisthingon
予告編:https://youtu.be/vWmDF-12cwA
俳優だけでなく、監督作『アリー/スター誕生』でも評価されているブラッドリー・クーパーの監督最新作『これって生きてる?』。
「私が苦しんでいたのに、独りにしたでしょ!」と妻のテス(ローラ・ダーン)が話し、そして、夫のアレックス(ウィル・アーネット)はコメディクラブの舞台に立って「どうやら俺は離婚する。気づいたきっかけはアパートで独り、妻と子供が見当たらない。それが最大のヒントだ」と言っているシーンを予告編で見ることができます。
ここからは妄想です。アレックスとテスの夫婦は離婚の危機にあります。そのことをアレックスはコメディクラブで実話として話すことで共感されたり、笑いを誘うことでどこか癒されたり、ストレスを発散しているようです。「私だけが知らないの?」とテスがアレックスに詰め寄っている場面も予告編にあるので、妻には内緒でステージに立っていたのでしょう。
こうなるとアレックスには離婚に邁進しても家族ネタで爆笑をかっさらってほしいところですが、どうもこの作品はヒューマンドラマらしいので、それはなさそうです。怒り心頭のテスもコメディクラブに立ち、アレックスの悪口を言って爆笑を取る。元夫婦同士で互いのことを尊重しながらもライバルとして舞台に立つというラストはどうでしょうか?
『これって生きてる?』
4月17日(金)全国ロードショー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2026 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
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『SAKAMOTO DAYS』(4月29日公開)
公式サイト:https://skmtdays-movie.jp/
予告編:https://youtu.be/o9R0rgP_19s
「週刊少年ジャンプ」で現在も連載中の鈴木祐斗による大人気漫画を福田雄一が脚本・監督で映像化した『SAKAMOTO DAYS』。
「伝説の殺し屋」として恐れられていた坂本太郎(目黒蓮)がある日、葵(上戸彩)に一目惚れし恋に落ちた。「約束して、人を殺さないこと」と葵に言われた坂本はそれを受け入れて殺し屋をやめて、彼女と結婚して太った。
娘にも恵まれ個人商店の店主として働くその姿は往年のバスケ漫画の先生を思わせる風貌なのが予告編を見るとわかります。そんな平穏な日々の中、坂本は相棒だった朝倉シン(高橋文哉)から殺し屋に復帰して欲しいと言われて断るものの、彼に懸賞金がかけられており、刺客に命を狙われてしまうようです。
ここからは妄想です。予告編を見て最初に思うのは、福田雄一監督作品における常連の俳優が見当たらないことです。福田組とされる俳優陣たちではない人たちと今作を作り上げたのは、ある種のマンネリ化をさけるためなのかもしれません。
「殺さない。それが坂本家の家訓」と坂本が言うシーンもあります。となると坂本は刺客たちを殺めることなく、家族や仲間を守ることになるはずです。それによって改心する者もいそうですが、復讐を誓う者も出てくるはずです。そのキャラが最後にニヤリと笑って、続編を匂わせる終わりではないでしょうか?
『SAKAMOTO DAYS』
4月29日(水・祝) 全国劇場にてロードショー
配給:東宝
©鈴木祐斗/集英社 ©2026映画「SAKAMOTO DAYS」製作委員会
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文/碇本学
1982年生まれ。物書き&Webサイト編集スタッフ。

