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ギレルモ・デル・トロ版『フランケンシュタイン』TIFFで初お披露目

Netflix映画『フランケンシュタイン』 一部劇場にて10月24日(金)より公開/11月7日(金)より世界独占配信

オスカー監督ギレルモ・デル・トロが監督・脚本を務めるNetflix映画『フランケンシュタイン』が、11月7日(金)より世界独占配信されます(一部劇場では10月24日(金)より公開予定)。一般公開に先駆け、本作はトロント国際映画祭(TIFF)でプレミア上映されました。小説家メアリー・シェリーの名著でこれまで数多く映像化されてきた「フランケンシュタイン」を、『パンズ・ラビリンス』(2006年)やアカデミー賞受賞作『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017年)など、クリーチャーものを得意としてきたギレルモ・デル・トロ監督が手掛けた一本。

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物語の舞台は1857年。北極探検隊を率いるキャプテン・アンダーソらの船が氷上で遭難し、そこで重傷を負ったヴィクター・フランケンシュタイン(オスカー・アイザック)が発見されます。その傍らには、顔の大半を覆った怪物の姿も。物語は1855年へとさかのぼります。フランケンシュタインはロイヤル医科大学で縫い合わされた死体に命を吹き込む実験を披露しますが、「醜悪なもの」として非難を浴びます。やがて彼は怪物(ジェイコブ・エロルディ)を創造することに成功しますが、その存在を「それ」と呼び、人間として尊重することはありませんでした。この関係はやがて、破壊と苦悩へとつながっていきます。

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フランケンシュタインといえば、これまでユニバーサル・スタジオによる1931年作品や、1994年公開のケネス・ブラナー監督・主演作など多くの映画が公開されてきました。その中でも本作はモンスターをこよなく愛する巨匠、ギレルモ・デル・トロによる"ラブレター"ともいうべき作品に仕上がっています。怪物を演じた俳優ジェイコブ・エロルディは、言葉数は多くなくとも、胸を打つ身振り手振りで、演技力が見事に発揮されています。すでに何度も語られてきた物語でありながら、まったく新鮮に感じさせる本作。ギレルモ・デル・トロの"新たな傑作"と呼ばれる日も遠くないかもしれません。

(文/トキエス)

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Netflix映画『フランケンシュタイン』
一部劇場にて10月24日(金)より公開/11月7日(金)より世界独占配信

公式サイト:https://www.netflix.com/title/81507921

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