もやもやレビュー

オチはないがお色気シーンだけは無駄にある『エクソシストVSダーク・ウィッチ』

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 どんな映画でも観客を物語に引き込む冒頭のシーンは重要だと思うのだが本作では突き放してついでに蹴っ飛ばすかのような出来になっていた。これは約束された駄作だと開始早々に確信することになり93分という結構長い時間を虚無に過ごす羽目に。

 タイトルがタイトルなのに終盤はオッサン同士の殴り合いなのはまぁ仕方がないとしてもラストシーンが続編ありそうな雰囲気で終わっているのに当然のように2025年の現在まで続編の情報はない。ちなみに本作の公開は2016年。だから非常に中途半端なエンディングとなっており、オチすらないという代物となっている。そのせいで退屈を耐え忍んでも見終わった気分になれずカタルシスさえない。

 物語は16世紀終盤にイタリア北部の町で6人が魔女裁判にかけられ無実のまま処刑されたことに端を発する。拷問の末に火あぶりとなった彼女たちの怨霊が数百年の時を経てよみがえり、神父の自殺や失踪事件、怪物の出現など町は不可解な現象が多発。バチカンから派遣されたエクソシストのガブリエル神父が怪事件の真相解明に乗り出す――という内容。

 冒頭でジョギング中の女性が怪物と出くわし、逃げる女性が転ぶ過程でTシャツが破け胸元がはだけるお色気シーンがぶっこまれる。そうはならんだろうと思いつつ視聴を続けているとトップレスのまま走って逃げる女性が次の瞬間には全身血まみれの死体になっていた。血まみれといってもなぜか血はすべて一目で分かるCG。
 この後、舞台は16世紀の魔女裁判に移りこれまた分かりやすいCGの火で女性たちが処刑されるシーンになる。熱くなさそうな火で絶叫している女性たちを見るのはなかなかきつい。

 再び舞台は現代に戻り町の女性たちは黒い衣装をまとった男に従い、謎の怪物が白昼堂々と歩き回っている。今度は男性が次々と殺害されるが、どういう訳か男性の血は血のりを使用。血のりを使うシーンとCGを使うシーンの基準がよく分からない。

 物語はよく分からないまま進み黒幕は自殺した神父と暮らしていたミリオ神父と判明する。
 ここでようやく主人公のガブリエル神父が登場し、ミリオ神父や従えた町の女性たちと殴り合いのバトルが勃発。しかしミリオ神父が行っていた悪魔召喚の儀式を止めることはできず悪魔が出現し......でエンドロールへ。

 そこから最終バトルをするのではないのかと。不必要に挿入されたお色気シーンをカットしたら悪魔との戦闘くらい入れられただろうと。様々な思いがよぎるがないものはない。茫然以外の感想が出てこない作品だ。

(文/畑中雄也)

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