B級映画の悪い点を詰め合わせ『ダスト・ウォーカー』

- 『ダスト・ウォーカー(字幕版)』
- サンドラ・スキベラス,ジョリーン・アンダーソン:ジョアンナ,ステフ・ドーソン:サマンサ,タリーナ・ナビード:ミシェル

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B級映画のホラーやSFでよくある「物語の起点となる原因を説明しない」「何が起きているのかを説明しない」「解決したのかを説明しない」という地雷をすべて踏み抜いていた本作は、見ているものを困惑させる。よく解釈すれば考察しようと思えばいくらでもできると言えなくもないが「この映画について1秒でも脳を動かしたいか?」という疑問にとらわれエンタメとして接した場合95分というそれなりの尺を不毛に過ごすことになる。大体、考察というのは作品を面白いと感じて、その娯楽性をさらに高めるためにするものではないのか。面白くもない作品を考察するほど世間の人は暇ではないと思うが、この手のやり口を使う作品が多すぎる。勘弁して欲しい。
2040年のオーストラリアの田舎町が舞台で、ある日、中年男性が道端に落ちていたネズミの死骸を触りゾンビになるところから本編が始まる。そもそも道端で死んでいるネズミを触ろうとするその衛生観念がよく分からない。
ほかの人たちも何かに感染したのかゾンビとなり、市民からの通報を受けた女性保安官のジョアンナは現場に向かう途中で巨大なクレーターを見つける。
現場に到着すると血まみれの男性がいて、近くには死体が転がっていた。男性を警察署に連行し取り調べをすると正気を取り戻し、何かが頭の中に入ってきて体が勝手に暴れ回るのだと説明。ジョアンナはまだゾンビになっていない人間を署で保護する。
場面が切り替わり、町が砂嵐によって包囲され脱出が不可能となり、日が暮れるとゾンビたちが署に集まり出した。
その時、大きな咆哮が聞こえ外に出ると得体の知れない怪物がゾンビを襲っていた。怪物はゾンビだけを捕まえ別の場所に集めて口から放つ炎でゾンビたちを焼き殺していた。
夜が明けると怪物はどこかに消え砂嵐も消失していた。生き残ったジョアンナたちが安堵する様子を映してエンドロールへ。
人がゾンビになる原因は不明で、終盤に現れた砂嵐と怪物も一切の説明はなし。クレーターがあるのだから宇宙から地球に落ちた何かが人々に感染したのかなと想像はつくが、それでも何かしらの説明は欲しい。途中で人がウイルスらしきものに感染していく様を結構描いていたが、似たような描写が多すぎて飽きてくる。要らない要素を削れば最低限の説明は可能だったのではないか。
Amazonの解説を読むと本作にはスピルバーグの興奮度とキングのドラマツルギーがあると書いている。さすがにそれはあまりに誇大広告ではないかと思った次第。
(文/畑中雄也)

