『月刊予告編妄想かわら版』2024年7月号
『デッドプール&ウルヴァリン』(7/24公開より)
毎月下旬頃に、翌月公開の映画を各週一本ずつ選んで、その予告編を見てラストシーンやオチを妄想していく『月刊予告編妄想かわら版』三十五回目です。
果たして妄想は当たるのか当たらないのか、それを確かめてもらうのもいいですし、予告編を見て気になったら作品があれば、映画館で観てもらえたらうれしいです。
7月公開の映画からは、この四作品を選びました。
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『先生の白い嘘』(7月5日公開)
公式サイト:https://senseino-shiroiuso.jp/
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=qaqEmC4gDZs
『弱虫ペダル』などを手掛けた三木康一郎監督が漫画家・鳥飼茜の問題作を実写化した『先生の白い嘘』。高校教師の原美鈴(奈緒)は親友の渕野美奈子(三吉彩花)から婚約者の早藤雅巳(風間俊介)を紹介される。実は早藤は美鈴に男女の「性差」を「格差」として振りかざし、彼女に女であることの「不平等さ」を植え付けた張本人だった。
ある日、美鈴は猫に餌をあげていた男子生徒の新妻祐希(猪狩蒼弥)に声をかけて親しくなっていく。「先生の敵は俺の敵です」という新妻に対して美鈴は「私の敵は私なの」と答えているシーンも予告編にあります。
ここからは妄想です。妊婦らしき美奈子に「ごめん」と謝る美鈴や、「頭と腹ん中、絶望と怒りで真っ黒なくせして」と美鈴に襲いかかる早藤の姿も予告編にあります。
美奈子の冷酷に見える表情もあり、もしかすると彼女は早藤と美鈴の関係に気づいている可能性もありそうです。「女の敵は女」というある種の男側が作った嘘でいけば、ラスボスというか黒幕は美奈子かもしれません。しかし、ジェンダータブーに触れる繊細なテーマを扱っている作品であるので、そうはならないでしょう。
早藤が美鈴に植え付けた「不平等さ」を今度は美鈴がタイトルにある「白い嘘」で今度は植え付けて、彼を操って早藤との関係を終わらすというラストかもしれません。
『先生の白い嘘』
7月5日(金)全国公開
配給:松竹 ODS事業室 / イノベーション推進部
©2024「先生の白い嘘」製作委員会 ©鳥飼茜/講談社
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『お母さんが一緒』(7月12日公開)
公式サイト:https://www.okaasan-movie.com/
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=zCrU8GTtr8E
橋口亮輔監督の最新作はペヤンヌマキによる同名の舞台を脚色してドラマシリーズを再編集した『お母さんが一緒』。親孝行として母親を温泉に連れてきた三姉妹。長女の弥生(江口のりこ)、次女の愛美(内田慈)、三女の清美(古川琴音)たちの楽しい家族旅行になるはずだったが、そこに清美が結婚したいという恋人のタカヒロ(青山フォール勝ち)が現れてしまう。
美人姉妹と言われる妹たちにコンプレックスを抱いてきた弥生、優等生の長女とずっと比べてこられた愛美、姉二人を冷めた目で観察していた清美、それぞれの関係性が徐々に明らかになるものの、三姉妹に共通しているのは母親みたいになりたくないというものだったことが予告編からわかります。
ここからは妄想です。この予告編全部見るとあるおかしなことに気づきます。三姉妹の「お母さん」が一瞬たりとも映っていません。予告編で弥生が言っていた「お母さんのせい」という発言からしても、母親が何かをやらかしている、やらかしたと考えるのが妥当です。三姉妹の母親はすでに亡くなっていて、温泉には骨壷を持ってきている可能性もありそうです、
最後のワンシーンで母親が亡くなっていたことを示し、ずっと部屋の片隅などに半透明の幽霊になっていた母親は三姉妹をずっと見ていたというオチではないでしょうか?
『お母さんが一緒』
7/12(金) 新宿ピカデリーほか全国公開
配給:クロックワークス
©2024松竹ブロードキャスティング
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『墓泥棒と失われた女神』(7月19日公開)
公式サイト:https://www.bitters.co.jp/hakadorobou/
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=GJpFRlSSd2A
フェリーニの遺伝子を継ぐとも評されるアリーチュ・ロルヴァケル監督最新作『墓泥棒と失われた女神』。考古学愛好家のアーサー(ジョシュ・オコナー)はなぜか古代のエトルリア人の墓を発見できる不思議な能力を持っていた。彼と仲間は墓から掘り出した埋蔵品を売り捌いて生活をしていた。
そんなアーサーは同時に忘れられない恋人の影を追っているようです。車掌に「ところで探し物をしてるんですがご存知ないかな?」と聞かれてアーサーが「何を?」と聞くと「あの世に持っていく物ですよ」という意味深な場面も予告編にあります。
ここからは妄想です。墓泥棒をしているアーサーたちを見た女性が「死者への冒涜では?」と言ったことに別の女性が「彼は"幻想(キメラ)"を追ってるの」と返すシーンもあります。また、かつての恋人に似た女神像の首を「人の欲を満たすためのものじゃない」と海へ放ってしまうシーンもあり、彼が探しているかつての恋人はすでにこの世にはいないように思えます。
アーサーは亡くなった恋人に会いたいという気持ちが強すぎて、この世とあの世の狭間にいるような状態なのかもしれません。それが彼の能力の源泉になっていたのですが、最後は彼女にはもう会えないと認めてしまって、能力が失われしまう。そして、違う女性に一目惚れするというラストではないでしょうか?
『墓泥棒と失われた女神』
7月19日(金)Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
配給:ビターズ・エンド
© 2023 tempesta srl, Ad Vitam Production, Amka Films Productions, Arte France Cinéma
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『デッドプール&ウルヴァリン』(7月24日公開)
公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/deadpool-and-wolverine
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=fnnLZxYMsOY
あの"クソ無責任ヒーロー"が再び登場するMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)」最新作『デッドプール&ウルヴァリン』。酒場にいる『X-MEN』のウルヴァリンに、「おチビちゃん、今すぐ一緒に来てくれ」というデッドプール。彼に何か協力してほしいミッションがあるようです。
「このままじゃ、大切なもの全てを失う」「知るかクソ」「お前の世界にもクソって言ったのか?」というデッドプールとウルヴァリンのやりとりも予告編で見ることができます。また、スキンヘッドのボスキャラらしき女性に行動を操られているウルヴァリンの姿もあります。
ここからは妄想です。世界中で大人気だった「MCU」もこの数年、人気に翳りが出てきました。予告編でも「アントマン」の巨大化した顔やマルチバースへ飛び込む二人の姿もあり、デッドプールが今作から「MCU」に組み込まれるということは新しい変化や希望を彼に託したいのだと思います。
デッドプールは不死身に近い能力を持ち、「第四の壁」を無視して観客に語りかけるキャラです。おそらく、混沌とした「MCU」シリーズへの観客の不満などを彼が代弁するシーンがあるはずです。そんな彼だからこそ「MCU」の狂ってしまった世界を元には戻せなくても軌道修正できるはずです。最後は『X-MEN』の他のヒーローが登場するラストに違いありません!
『デッドプール&ウルヴァリン』
7月24日(水)世界最速公開!
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
© 2024 20th Century Studios / © and ™ 2024 MARVEL.
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文/碇本学
1982年生まれ。物書き&Webサイト編集スタッフ。