銃社会に物申す!『デスパレート・ラン』。銃社会アメリカからやってきた問題作
『デスパレート・ラン』 5月12日(金)公開
主人公エイミーが人里離れた森でランニング中に息子が通う高校でたてこもり事件が発生し、助けも移動手段もない中、スマホ1台で事件解決に向けて走り続ける新感覚シチュエーション・スリラー。
日本に住んでいる私たちにとって「銃は身近なもの」という感覚は全くない。家にあるなんてこともなければ、隣人が持ってるということも基本的には有り得ないことだ。だから日本人がみても、本作で起こることがリアルに身近で起こり得るかもしれない、という感覚を持つのは難しいと思う。
けれど、それでももしも自分の子供がいる学校で殺傷能力のある凶器をもった犯人による立てこもり事件が起こることを想像したら、やっぱり恐怖を感じる。3Dプリンターで銃を作る技術が進歩しているという現代、凶器どころか銃ですら遠い存在ではなくなってきているかもしれない。
日本では地震など天災に対しての避難訓練をするように、アメリカでは乱射事件を想定した訓練が学校であるようだ。それは、電気を消して隠れたり犯人がいない隙をみて逃げる練習らしい。
本作ではそういった練習の大切さを感じるシーンも出てくる。
アメリカでは学校での乱射事件が度々起こっていて社会問題となっている。私たちはニュースで起こったことを知る程度に見聞きするだけだが、その全貌を本作では見られる。
子どもと離れた場所にいた母親が、事件のことを知ってからスマホ一台で奔走する姿はかなり印象的。ずっと1人芝居が続くナオミ・ワッツの演技力の高さがうかがえる渾身の一本となっている。
(文/杉本結)
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『デスパレート・ラン』
5月12日(金)公開
監督:フィリップ・ノイス
出演:ナオミ・ワッツ、コルトン・ゴボ
配給:イオンエンターテイメント
原題:The Desperate Hour
2021/アメリカ/84分
公式サイト:https://desperate-run.jp
予告編:https://youtu.be/DKathSTlrqI
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