『月刊予告編妄想かわら版』2026年6月号
『四月の余白』(6/26公開)より
毎月下旬頃に、翌月公開の映画を各週一本ずつ選んで、その予告編を見てラストシーンやオチを妄想していく『月刊予告編妄想かわら版』五十八回目です。
果たして妄想は当たるのか当たらないのか、それを確かめてもらうのもいいですし、予告編を見て気になったら作品があれば、映画館で観てもらえたらうれしいです。
6月公開の映画からは、この四作品を選びました。
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『the moment/ザ・モーメント』(6月5日公開)
公式サイト:https://a24jp.com/films/moment/
予告編:https://youtu.be/oJRsY2a2EBg
ポップミュージックの最前線を走る"時代のアイコン"チャーリーxcxが発案、ビリー・アイリッシュなどのミュージックビデオを手がけてきたエイダン・ザミリを監督に迎え、A24が制作したショービジネスの裏側を描いた『the moment/ザ・モーメント』。
チャーリーxcxのアルバム『brat』の大ヒットから数ヶ月後が舞台。そのムーブメントは"ブラットサマー"と呼ばれ、彼女はカルチャー・アイコンとして崇められていた。
「何をしてもイタい」「チャーリーxcxの生意気なイメージを保つには?」「君の表現を嫌う人もいる」など彼女を取り巻く人たちが、彼女を定番のスターの枠に押し込めようとしているのが予告編を見るとわかります。
ここからは妄想です。予告編の中では、「革新的でクールな私ばかり求めないでほしい」「"どうしたい?"と聞かれても私だって分からない!」と話しているチャーリーxcxの姿もあります。この映画は実際に『brat』を出して、"時代のアイコン"となっているチャーリーxcxが出演していることで現実とフィクションが混ざり合い、どこまでが本当で嘘なのかという、モキュメンタリー的な要素があります。
「狂ったショービジネスの裏側」の当事者だからこそ、彼女はアイロニーも込めて出演しているはずです。映画を観終わって彼女の曲を再生すると、自分がいる世界が現実なのかフィクションなのかわからなくなってしまうかもしれません。
『the moment/ザ・モーメント』
6月5日(金)より渋谷ホワイトシネクイント他、全国順次公開
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2026 Rights By Lloyd LLC. All Rights Reserved.
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『Michael/マイケル』(6月12日公開)
公式サイト:https://www.michael-movie.jp/
予告編:https://youtu.be/xKLDKVol0pM
"キング・オブ・ポップ"ことマイケル・ジャクソンの伝説を、『ボヘミアン・ラプソディ』製作のグレアム・キングと『イコライザー』シリーズのアントワーン・フークア監督が映画化、さらにマイケル役は実の甥っ子であるジャファー・ジャクソンが演じた『Michael/マイケル』。
「人生は勝つか負けるかだ」という野心家の父・ジョセフが幼いマイケルをはじめとしたその兄弟たちに告げているシーンが予告編にあります。きびしいレッスンを経て兄弟たちはその後、"ジャクソン5"としてデビューし、モータウン・レコードと契約しスターダムを駆け上ることになります。
「自分でやりたい事がある。溢れるアイデアを解放したいんだ」というマイケルは兄弟たちとではなく、自分一人での音楽をやろうと動き出す。
ここからは妄想です。と言いたいところですが、マイケルはクインシー・ジョーンズとの出会いによって、ソロアーティストとして世界中で大ヒットを飛ばす、"キング・オブ・ポップ"という唯一無二の存在となっていきます。
「マイケルの成功を利用しよう」という強権的な父の呪縛、家族の中での立ち位置や関係性の中で葛藤する一人の青年としての生き様を描く物語になっているようです。予告編でも素晴らしいパフォーマンスが見られ、期待は高まります。この映画が大ヒットし、再びマイケルの曲が世界中で聴かれて、熱狂が生まれるはずです!
『Michael/マイケル』
6月12日(金)より全国公開
配給:キノフィルムズ
®, TM & © 2026 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
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『君は映画』(6月19日公開)
公式サイト:https://www.europe-kikaku.com/kimiei/
予告編:https://youtu.be/dHCVkzTWwso
劇団「ヨーロッパ企画」の上田誠が監督・脚本を手がけ、伊藤万理華×井之脇海をW主演に迎えた下北沢ギミックコメディ『君は映画』。
劇作家のマドカ(伊藤万理華)は『三軒茶屋エスケープ』というバンドマンが主人公の映画を下北沢の映画館トリウッドに観に行く。そのスクリーンではバンドマンのカズマ(井之脇海)が仲間たちと揉めているシーンが映し出されている。しかし、スクリーンの中にいるはずのカズマも同様に、同じ劇場のスクリーンで『下北沢エクソダス』というマドカたちが主人公の映画を観ている場面が映し出されます。そんな不思議な状況で互いのスクリーンに映った二人がスクリーン越しに会話をしているシーンを予告編で見ることができます。
ここからは妄想です。舞台を上演しようとすると役者に降板ドミノされてしまうマドカ、メンバーとのトラブルとチケットノルマが捌けないカズマ、というそれぞれのピンチが訪れている様子も予告編で見ることができます。
「シネマティック・マルチバースという概念なんですけど」「普通に生きてくださればシナリオ通りに進んでいきますから」と話している謎の人物もいます。やはり、最後は二人が力を合わせて、舞台とライブを成功させるというシナリオを変えるハッピーエンドになるはずです。ラストはスクリーンにトリウッドの座席が映って、観客に「君は映画?」と問いかける、そんな終わりではないでしょうか?
『君は映画』
6月19日(金)公開
配給:TOHO NEXT、トリウッド
©ヨーロッパ企画/トリウッド 2026
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『四月の余白』(6月26日公開)
公式サイト:https://shigatsu-yohaku.com/
予告編:https://youtu.be/g71rjyZxB4w
『空白』『ミッシング』などを手掛けてきた𠮷田恵輔監督が、自身の体験や身の回りで起こったことをベースにして作り上げた最新作『四月の余白』。
元半グレだった西健吾(一ノ瀬ワタル)は全寮制更生施設「みらいの里」を運営し、いろんな子どもたちと共に生活をしていた。
少年の海斗(上阪隼人)は暴力的であり、人の痛みが理解できなかった。そんな海斗を健吾は受け入れたが、彼が施設の仲間を堤防の上から蹴り落とす。「お前一歩間違えたら死んでたんだぞ」と健吾が彼を叱責するシーンや、中学教師の草野冬子(夏帆)から「相手の子、大怪我してるんだよ」と言われても「人が痛くても俺はちっとも痛くないんだけど」と彼が答えるシーンも予告編で見ることができます。
ここからは妄想です。「あんた俺の足潰したんですよ」「ほんとですか、俺そんなひどいことしました」という杖を持っている男性と健吾とのやりとりもあり、彼自身がきちんと過去に向き合って更生できていたのか疑問に残るシーンも予告編にあります。また、「海斗、お前は変われるよ」という健吾の言葉は彼自身に言っているようにも、どこか祈りのように聞こえてきます。
「変われるかもしれない時間と変われなかった時間の間に残された四月の余白」というナレーションも印象的です。健吾は変われなかったことを認め、海斗にはこうなってほしくないと、彼の前で自決してしまうラストではないでしょうか?
『四月の余白』
6月26日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
配給:アークエンタテインメント
© 2026 N.R.E.
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文/碇本学
1982年生まれ。物書き&Webサイト編集スタッフ。

