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『シャドウズ・エッジ』----香港アクションの底力がここに!ジャッキーが再び魅せた

『シャドウズ・エッジ』 12月12日(金)全国公開

こんな香港映画を待っていました!
本作は、香港映画界の巨匠ジョニー・トー監督作品の脚本を多数手がけてきたヤウ・ナイホイが、監督デビュー作『天使の眼、野獣の街』(07)を大胆に再構築した作品です。

警察の監視システム、顔認識、ナンバープレート認識といった技術が飛躍的に発展した今、捜査手法は過去とはまったく異なるものになりました。一方で、尾行や現場経験に基づく"古き良き"捜査は、時代の流れとともに失われつつあります。
そうした背景のもと、本作では新たな問いが投げかけられます。
ハイテク技術を駆使し、警察の監視網をすり抜ける窃盗団が現れたとき、ベテラン刑事を呼び戻した警察チームは、果たして彼らを追いつめることができるのか――。

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進化した都市マカオを舞台に、ハイテクと人間力がぶつかり合う攻防戦が繰り広げられます。
ネオンに彩られた街の裏側で、神出鬼没のサイバー犯罪集団が静かに牙を研いでいました。警察はなすすべもなく、一線を退いた追跡のエキスパート・黄徳忠(ジャッキー・チェン)に協力を依頼します。彼は若き精鋭たちとチームを組み、最新テクノロジーと旧式の捜査術を組み合わせながら追跡を開始します。
辿り着いたのは、"影"と呼ばれる指名手配犯で元暗殺者(レオン・カーフェイ)。
彼を首領とする犯罪集団は巧みな変装と高度なコンピュータ技術を駆使し、警察の追跡を翻弄していきます。そして追跡15日目、ついに警察は"影"の居場所を特定しますが、そこで彼らを待ち受けていたのは最悪の罠でした。

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本作のみどころは、なんと言ってもアクションシーンの数々です。
正直、ジャッキー・チェンは「もうそこまで動けないのでは?」と思っていましたが、本作を鑑賞してその考えが一変しました。まだまだ現役としての動きが健在であることがよく分かります。
特に、レオン・カーフェイが狭い空間で30人と戦うシーンは圧巻で、この撮影に5日間を費やしたとのこと。見応え抜群の名シーンなので、瞬きを忘れるほど没入してしまいます。
また、犯人の居場所を街中の防犯カメラを操作しながら特定していく過程と、それに合わせて刑事たちが街を駆け回る臨場感も魅力的です。さらに、追跡中に使われる刑事たちのコードネームが可愛らしく、緊張のなかにちょっとしたユーモアを添えています。

これは完全に"大きなスクリーンで観るべき作品"です。
エンドロールも立ち上がらずに、最後までご鑑賞ください。どうやら続編を予感させるラストになっています。

(文/杉本結)

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『シャドウズ・エッジ』
12月12日(金)全国公開

監督:ラリー・ヤン
出演:ジャッキー・チェン、チャン・ツィフォン、レオン・カーフェイ、ツーシャー、ジュン(SEVENTEEN)
配給:クロックワークス

原題:捕風追影 英題:THE SHADOW'S EDGE
2025/中国・香港/141分
公式サイト:https://klockworx-asia.com/shadowsedge
予告編:https://youtu.be/XhhLehCrBiM
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