食い違いコントを見ているようで爆笑の68分『結婚の報告』

『結婚の報告』 5月31日(土)より池袋シネマ・ロサにて公開
本作は、関西を拠点に活動する中野劇団の同名傑作戯曲の映画化となる。話がかみ合わないコントのような展開が、お笑いを見ているような感覚になる。それでも、きっちりとした映画として成立しているのは俳優の演技力があってだろう。
「結婚することになった!」報告を長年の親友に打ち明けるつもりがどうしてこうなった!? 親友の母と結婚することになった男が、言い出せないうちに意外な人間関係や秘めた感情が露わになり、事態は想像を超えた展開へ...
結婚相手を友達に伝えることができないばかりにどんどん話がややこしくなっていく。そこから、思いもよらない展開に半分以上笑いながら観ていた。30分ほどの短編演劇を映画として68分の作品に作り上げている。脚本は中野劇団主宰の中野守が担当している。監督は前作『レンタル×ファミリー』が国内外で注目を集めた阪本武仁。監督と脚本家が最強なうえに演者も1000人のオーディションから厳選された強者達。登場人物が多くないのですごくみやすい。そして、映画に登場する全員がいたってまじめに話しているから観客である私たちは可笑しくてたまらない。
本作、『カメラを止めるな!』や今年日本アカデミー賞を受賞した『侍タイムスリッパー』など、意欲的で爆発力のあるインディペンデント映画を積極的に取り上げる池袋シネマ・ロサの次なるパワープッシュ作品となることが決定した。また、今年の映画の顔になるかもしれない。2週間の公開ということだが、話題となれば他の映画館で見られるかもしれないという期待も高まる。
ただただ楽しい作品なので年代、性別関係なく楽しめる。久しぶりに映画館で笑いたいなという人はぜひ足を運んでみてほしい。
(文/杉本結)
『結婚の報告』
5月31日(土)より池袋シネマ・ロサにて公開
監督:阪本武仁
原作:中野守(中野劇団)「結婚の報告」
脚本:中野守(中野劇団)
出演:高橋里央、岡本智礼、市原朋彦、今村美乃、山田かな、古賀勇希、石井建太郎、井星景、七海遼平、久保健太、たけいまい、神吉春果
配給:Team 結婚の報告
2025/日本映画/68分
公式サイト:https://kekkonnohoukoku-movie.com
予告編:https://youtu.be/QHEC17OE_P8?si=xTe6s3k5Cdu8GCqs
©『結婚の報告』