YUI主演タイヨウのうたの韓国リメイク『タイヨウのウタ』

タイヨウのウタ 5月16日(金)全国公開
本作は、日本で2006年に公開された『タイヨウのうた』の韓国リメイクとなっている。
XP(色素性乾皮症)という遺伝子疾患を抱え、太陽の光を浴びることができないミソルは、部屋から見えるフルーツ移動販売の青年・ミンジュンに密かに恋心を抱いていた。ある夜、偶然夜間販売に来たキッチンカーに駆け寄ったことをきっかけに、二人の距離は急接近。俳優を目指すミンジュンに歌声を褒められ、ミソルは顔を出さずに歌の映像をSNSに投稿することに。瞬く間に話題となるが、病気への注目が集まることでSNSが怖くなってしまう。ミンジュンは歌を歌えるように影ながら応援するのだが、そんな二人の前に、ミソルの病は立ちはだかるのだった。人生をあきらめていたミソルは、ミンジュンに出会い、短くも、輝く日々を謳歌する純度100%のラブストーリーが現代に蘇る。
2019年に公開された映画『パラサイト 半地下の家族』でダヘ役を演じて大ブレイクしたチョン・ジソ。そして月明かりのようなヒロインを支える、太陽のように明るく真っ直ぐな青年・ミンジュンを演じるのは、男性アイドルグループVIXXのメンバー・リーダーで、ドラマ「無人島のディーバ」でも注目されているチャ・ハギョン。
筆者は高校生の時に日本版を劇場で鑑賞して号泣した思い出のある作品。韓国版でもやっぱり泣いてしまった。当時、日本版で主人公を演じたYUIの曲を大好きで良く聞いていた影響もあり泣けたのかもしれない。韓国版でもやっぱり歌を聞いていると涙がでてきた。日中に外にでる為には肌を少しも露出させることができないので、防護服を着用する必要がある。それが宇宙服みたいで抵抗があるのはよくわかる。そのため、夜にしか外出することができない主人公ミソル。ミソルのことを周囲がどれだけ大切にしているか鑑賞していると伝わってくる。ミソルもそれをしっかりと受け止めて歌の歌詞にしているところがとても素敵で、劇中に登場する楽曲は1曲1曲が胸に刺さるものだった。とくに「いつものようにそこにいるから」という歌詞は印象的だった。
劇中でミソルの部屋の壁にはひまわりが描かれていた。きっとこの作品を鑑賞後、ひまわりの花をみるとミソルのことを思い出すだろう。ひまわりの花言葉「あなただけを見つめる」「憧れ」「情熱」どれもミソルを表しているような言葉だ。明るくてポジティブな言葉がよく似合うミソル。その陰に隠れている病気というネガティブをミソルは歌うことで打ち消していたように感じた。音楽は人の心を明るくする、勇気づけるそんなパワーがある。そして、SNSを通じて現代では遠くに居る人にも届けられる。
本作、音楽の可能性を存分に感じることのできる作品となっている。また、ピュアな恋愛をニマニマ見守ることができるのも楽しめるポイントとなっている。日本版と見比べてみても面白いと思う。筆者も久しぶりに日本版をみたいと思った。
(文/杉本結)
タイヨウのウタ
5月16日(金)全国公開
監督・脚本:チョ・ヨンジュン
出演:チョン・ジソ、チャ・ハギョン、チョン・ウンイン 、 チン・ギョン
配給: ライツキューブ
2025/韓国/109 分
公式サイト:https://taiyo-uta.com
予告編:https://youtu.be/e-4SRUXZcRU
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Based upon the original Japanese language motion picture entitled "TAIYO NO UTA" ("MIDNIGHT SUN"), based upon an original story by Kenji Bando and Yoshiro Hosono.