カルト的人気のコメディ作品『俺たちニュースキャスター』当初の脚本案が面白い

　数々のコメディ作品に出演してきたウィル・フェレル。彼の代表作と言っても過言ではないのが2004年の『俺たちニュースキャスター』。ネットフリックス映画『ドント・ルック・バック』など数々の話題作を世に生み出してきたアダム・マッケイの監督デビュー作で、多くの名場面を生み出しきたことと、豪華俳優陣がちょい役で出演しているこで、カルト的人気を博しています。

舞台は1970年代のサンディエゴ。地元テレビ局「チャンネル４」の人気キャスターであるロン・バーガンディ（ウィル・フェレル）は、同僚たちとパーティ三昧の生活を送っていました。そんな中、美しいジャーナリストのヴェロニカが入社してきて、ロンは一目惚れ。ヴェロニカは、野心あふれ、自分もいつかアンカーを務めたいという夢を抱いていました。その一方で、ロンとは恋仲になります。しかしとある事件をきっかけに、いつもはロンが務めているアンカーの座をヴェロニカが奪う形に。そこから、様々な騒動が起こり始めます。

本作は、監督のアダム・マッケイがコメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」にてウィルと一緒に仕事をしていた時に構想されたのだそう。2017年、ウィルはビル・シモンズのポッドキャストに出演した際に、実は本作のオリジナル版は1993年の映画『生きてこそ』のパロディだったと明かしています。『生きてこそ』は、1972年にウルグアイで発生した旅客機墜落事故を描いた感動作。『俺たちニュースキャスター』のオリジナル版脚本では、自信過剰なロン・バーガンディが自分が操縦できるとパオリットを説得するも、飛行機を墜落させてしまい、登場人物全員が生き残るために何かをしなければならないというブラックユーモアたっぷりの設定だったそう。当初の脚本では、もしかすると現在の『俺たちニュースキャスター』のようにカルト的人気を誇っていたかはわかりません。しかし、当初の脚本の作品もきっとウィルならではの面白いテイストになっていたことは間違い無いでしょう。『俺たちニュースキャスター』は笑いの要素はもちろん70年代のテレビ業界の風刺なども含まれたユニークな演出が満載。気楽に見れるコメディ映画をお探しの人はぜひこの作品をチェックしてみて。

（文／トキエス）