恋する女は無敵さ!『不死身ラヴァーズ』
『不死身ラヴァーズ』 5月10日(金)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー
今回紹介する作品は、恋をあきらめない! 全力で何度だってぶつかる! そんな主人公の物語となっている。原作は、「進撃の巨人」諫山創のアシスタントを経て漫画家デビューした高木ユーナの同名コミックだ。漫画では主人公が男の子なのだが、映画では女の子が主人公になるという点にまずは驚いた。
それでも、原作でクスッと笑ってしまうようなシーンは忠実に再現されていて面白かった。けれど、映画だけを観た人にとったら唐突にギャグシーンが入っていることに戸惑いを感じるだろうとも感じた。
主人公の長谷部りのは、幼い頃に"運命の相手"甲野じゅんに出逢い、忘れられないでいた。
中学生になったりのは、遂にじゅんと再会する。
後輩で陸上選手の彼に「好き」と想いをぶつけ続け、やっと両思いになった。でも、その瞬間、彼は消えてしまった。まるでこの世の中に存在しなかったように、誰もじゅんのことを覚えていないという。
だけど、高校の軽音学部の先輩として、車椅子に乗った男性として、バイト先の店主として、甲野じゅんは別人になって何度も彼女の前に現れた。その度に、りのは恋に落ち、全力で想いを伝えていく。
どこまでもまっすぐなりの「好き」が起こす奇跡の結末とは――。
本作を実写化したことで楽しめるポイントとして、普通1組のカップルが紆余曲折を経てカップルになるまでのストーリーを映画やドラマで楽しむことが多いのだが、本作では何パターンものシチュエーションで主人公が恋する姿が見られることにある。そこに混乱するけれど、深く考えず起こる出来事に身を任せて鑑賞するのがおすすめだ。
好きという気持ちを大切に思える作品となっている。
恋してる人も、恋したいなという人も、好きってどんな気持ちだっけ?って思っている人も、みんなが楽しめる作品になっていた。
恋愛に前向きになれる作品を探している人はぜひ。
(文/杉本結)
『不死身ラヴァーズ』
5月10日(金)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー
監督:松井大悟
原作:高木ユーナ「不死身ラヴァーズ」(講談社「別冊少年マガジン」所載)
出演:見上愛、佐藤寛太、落合モトキ、大関れいか、平井珠生 ほか
配給:ポニーキャニオン
2024/日本映画/103分
公式サイト:https://undead-lovers.com
予告編:https://youtu.be/eRsrxjz984w
©2024「不死身ラヴァーズ」製作委員会 ©️高木ユーナ/講談社