冗談みたいなスピードで人が死んでいくロードムービー『スリー・フロム・ヘル』

- 『スリー・フロム・ヘル(字幕版)』
- ロブ・ゾンビ,シェリ・ムーン・ゾンビ,ビル・モーズリー,リチャード・ブレイク,シド・ヘイグ,ダニー・トレホ

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本作はシリーズ3作目ながらストーリーらしいストーリーは特になく登場人物が延々と殺人にいそしむだけなので前作を未見でも視聴に差し支えないと思われる。さすがはロブ・ゾンビ監督作品。ある意味メタル。ジャケットに書いてある「殺人、狂気、暴力」の文言に偽りなし。
ストーリーや起承転結が皆無なのに上映時間は115分と比較的長く、途中で飽きるかなと思って視聴したが殺人の方法に趣向をこらしているため気付くとエンドロールが流れていた。ただ殺人シーンが丁寧すぎてグロテスクなことは否めないため苦手な人はとことん苦手かも知れない。本作を視聴後、ちょっと肉を調理できなくなった。
冒頭に記した通り、ストーリーというものが基本ないのでAmazon等のあらすじ欄もほぼ内容はない。主人公であるキャプテン・スポールディング、オーティス、ベイビーの3人は殺戮大好き一家。警官隊の銃撃から生き残ったものの父親のキャプテンは殺人罪で死刑となり、収監されたがオーティスとベイビーは長期服役中。そんな中、腹違いの兄弟であるフォクシーの協力で刑務所を脱出し3人はメキシコを目指す――という内容。もう少し何か書くことあるだろうというレベルで何も書いていないが、内容が殺人を繰り返しながらメキシコを目指すというものなので本当に書くことがないのは視聴すればよく理解できる。
とは言え、これではあまりに何を言っているのか理解不能なため作品の筋を追っていこう。
オーティスは脱獄の途中でほかの囚人を殺害しフォクシーと刑務所を脱出。逃げた先にハンターの夫婦を見つけ、夫を即座に殺害した後に妻の顔の皮をはいで殺害。一方のベイビーは長い懲役刑の影響か狂気に陥っていて囚人に襲われた際に残虐に殺害して返り討ちに。
ベイビーも脱獄させるためオーティスらはベイビーが収監されている刑務所の所長の自宅を襲撃。家族を人質にしてベイビーを脱出させたのちに一家を殺害する。
兄妹そろって脱獄したものの、今後どうするかを話し合う中で特に理由もなくメキシコ行きを決定。メキシコに着くと、オーティスが脱獄の際に殺害した囚人の息子が復讐のため殺し屋を送り込む。フォクシーとベイビーが殺し屋たちに捕らえられたがオーティスは囚人の息子を捕まえガソリンをかけた上で点火。焼死する囚人の息子の姿を爆笑しながら眺めて立ち去る姿を映してエンドロールへ。
多分、ジャンルとしてはロードムービーなのだろう。だいぶ剣呑だが。そして殺人以外の描写が特にないが。
1人2人が殺害される内容であればグロテスクで正視できないだろうが、人が冗談のようにポンポンと死ぬため限度を超えたゆえの笑いがある。
(文/畑中雄也)

