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『劇場版 ねこ物件』3つのおすすめポイント

『劇場版 ねこ物件』 8月5日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開中

2022年の春ドラマで非常に心温まる作品だったねこ物件が劇場版に! 「ねこ×イケメン×シェアハウス」がテーマになっている面白い作品。ねことイケメンの戯れが、最高に癒してくれる。

二星優斗(古川雄輝)は、幼い頃に両親を事故で亡くし、祖父・幸三(竜雷太)と2匹の猫、クロとチャーで暮らしていた。一緒に暮していた幸三が突然他界してしまう。 最愛の祖父を失い、残された猫と一軒家を守る為に四つ葉不動産の広瀬有美(長井短)の助言に従い、家を改築して猫と暮らすシェアハウスをオープンすることになったのがドラマ版。
劇場版では優斗が猫付きシェアハウスを始めた本当の理由が明らかになる。

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本作の中で面白いと思ったポイントが3つあった。

1つ目は『SNSの利用』。
インスタを開設してシェアハウスを全国に広めるためにイケメンたちが集まってさまざまな案を出し合い模索する姿が面白い。

2つ目は『食事シーン』。
このシェアハウスの家訓の一つとしてみんなで一緒に食事をするというものがある。最近問題になっている7つの『こしょく』、その中の1つに『孤食』というものがある。漢字の通りひとりぼっちで食事をとることだ。家族で一緒に住んでいても生活時間がバラバラで幼児期から孤食になっている家庭も珍しくはない。同じものを食べるとしても1人で食べるご飯と誰かと一緒に食べるご飯では全く違う。優斗が作るご飯はどれも美味しそうで、みんなで会話しながら楽しく食べているシーンは、「こんなシェアハウスが本当にあったらいいのに」と思わせてくれる心温まるシーンとなっている。監督が前作で『おいしい給食』を撮っているだけあって、食事シーンの見せ方がとても素敵でお腹が減ってしまう。

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3つ目は『生き物への愛』。
この作品の主役は「ねこ」だが、作品の中に登場する台詞はねこのみならず、ペットを飼ったことのある全ての人が共感出来るような言葉たちだ。特に、「ねこと過ごした時間は無駄にはなりません」という台詞。この言葉通り、ペットと過ごした日々の思い出は、心を成長させてくれる宝物になると思う。
他に、「ねこは家族です」という愛の溢れる台詞も心に残った。ペットを飼うということの責任の重さと共に、家族の一員であるということが当たり前のこととして描かれていたからこそ、心温まるストーリーになったのだろう。

暑さが厳しい夏に涼しい映画館で心を温めて帰路につける、ハートフルストーリーとなっている。

(文/杉本結)

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『劇場版 ねこ物件』
8月5日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開中

監督・脚本:綾部真弥
出演:古川雄輝、細田佳央太、上村海成、本田剛文(BOYS AND MEN)、松大航也、金子隼也、山谷花純、長井短、竜雷太
配給:AMGエンタテインメント

2022/日本映画/94分
公式サイト:https://neko-bukken-movie.com/
(C)2022「ねこ物件」製作委員会

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