リアル脱出ゲームの映画化『都会のトム＆ソーヤ』

『都会のトム＆ソーヤ』 7/30(金)よりTOHOシネマズ日比谷、イオンシネマほか全国公開中

本作はシリーズ累計200万部を超える大人気の児童文学推理小説シリーズ「都会（まち）のトム&ソーヤ」が原作。

ごく普通の転校生だが、実は類稀なるサバイバル能力を持つ内藤内人（ないとう・ないと）と、一大財閥"竜王グループ"の御曹司で学校一の秀才である竜王創也（りゅうおう・そうや）の対照的な二人が、天才ゲーム・クリエイター集団「栗井栄太」が仕掛ける、街中を舞台にしたリアルRPGゲーム＜エリアZ＞に出現する数々の「謎」を解きゲームクリアを目指すため、都会の様々な場所を舞台に推理と冒険を繰り広げていく物語。

主人公の内人を演じる城桧吏はカンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞した『万引き家族』でとても重要な役どころを演じ世界から注目されている子役の1人。そして、脇を固める俳優陣は市原隼人、本田翼、森崎ウィン、玉井詩織、中川大志が大人の世界をガッチリと作りあげている。

バーチャル世界に入りこんだりするのではなく、プレイヤー自身が体を動かし街を動き回りゲームをクリアするというしくみが最近のCGを多く使った映画と違いどこか懐かしささえ感じるが、子供が主人公というだけあってそれくらいのほうがませた子供より可愛らしくもありそこが本作の魅力だと感じた。

1つだけ残念だったのはピエロの存在。謎の存在として登場するのだが、映画の中では回収されないままの伏線がそのまま置き去りに終わってしまった。これは続編も製作予定だと期待したらいいのか？謎が解決出来ないままのミリテリーほどもやもやするものはないのだが、映画オリジナルの設定も多かったので原作を読んでいる人も楽しめるだろう。
続報があることを期待したい作品だった。
（文／杉本結）

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