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新星俳優が世界を圧巻!リアルな現実と向き合う『17歳の瞳に映る世界』

『17歳の瞳に映る世界』 7月16日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー!

17歳という年齢は、身体は大人だけれど心はまだまだ子供で、世の中の厳しさを本当の意味で理解しているとは言い難い難しい年齢だ。
それでも18歳から選挙権が与えられたり、もう大人の仲間に入る準備をしている段階であることは確かなのだ。
そんな難しい年頃に誰しもが必ず通る性への興味。まだ自分が誰かの親になろうと思って子作りをするような年齢ではない。そんな思わぬ妊娠をした少女の物語。

この物語の主人公のオータム(シドニー・フラニガン)は17 歳。ペンシルベニア州ノーサンバーランド郡に住んでいる。家族は母(シャロン・ヴァン・エッテン)と義理の父(ライアン・エッゴ ールド)と妹ふたりと犬。友人は同じ学校に通い、同じスーパーでレジ打ちのアルバイトをしているいとこのスカイラー(タリア・ライダー)ひとりだけだった。
ある日、オータムは体調に異変を感じ、もしやと病院を受診する。結果は妊娠検査薬が陽性を示す。オータムはひとつの決意をしてマンハッタン行きのバスにスカイラーと共に乗り込む。少女達の現実をリアルに描いたロードストーリーがここに完成した。

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正直、作品のオシャレさと内容の重さのギャップに心が置いていかれたようだった。
リアルすぎる内容だからこそ、子供を持つ母親として苛立ちも感じたのは確かだが、これは映画の世界と言い聞かせながら鑑賞した。
インターネットが普及した現代社会で、性の情報を昔のようにある程度親が管理する時代はもう終わったのだと思う。もしそうなら正しい知識を与えるべきだと思う。性行為により子供が出来るリスクがあることを理解しなくてはいけないし、妊娠したらそこには命があるわけで、産まない選択肢はあるけれどそのことへの責任の重さも理解しなくてはいけない。
劇中で中絶は胎児への虐待だというビデオをみせるシーンがある。あっさりと流れるように終わるシーンだったはずなのに鑑賞後も私の中には鮮明にそのシーンが残っていた。

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きっと色々な理由や生活があって中絶する人もいるんだろう。逆にいくら子供を望んでも授かれないことを悩み不妊治療をする人も増加している。
妊娠や出産、子育てにおいて正解やゴールはどこにも存在しない。だからこそ無限の可能性や選択肢がある。この映画のもつ意味を考えると、人生の岐路にたった時にそれが妊娠や出産の選択肢以外だったとしても、自分の選択に後悔がなければそれでいいんだよと言っているような気持ちになれた。
自分の決断に自信を持ち信念を曲げない強さが光る一作だった。

(文/杉本結)

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『17歳の瞳に映る世界』
7月16日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー!

監督・脚本:エリザ・ヒットマン
出演:シドニー・フラニガン タリア・ライダー セオドア・ペレリン ライアン・エッゴールド シャロン・ヴァン・エッテン
配給:ビターズ・エンド、パルコ

原題:Never Rarely Sometimes Always
2020年/アメリカ/101分
公式サイト:https://17hitomi-movie.jp
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