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あの『デビルマン』と酷似!? 『100日間生きたワニ』

『100日間生きたワニ』 2021年7月9日(金)より全国東宝系にて公開中

炎上した『100日後に死ぬワニ』の映画化。一度決まったものは止められない。それが日本だ。東京オリンピックを観てもよくわかる。上映が始まった途端に予約席を使って文字を描くなどの各種のいたずらが勃発し、アンチ『100ワニ』派による妨害が繰り広げられた。

こういうときは原典に当たれ。そう記者時代に教わった僕は、『100ワニ』の映画公式サイトを眺めていた。監督・脚本は『カメ止め』の上田慎一郎とその妻で、アニメーション監督としても活躍するふくだみゆき。この時点で僕は少しイヤな予感がした。

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邦画ナンバーワンクソ映画として名高い『デビルマン』(2004)と座組が一緒なのだ。監督が夫の那須博之で脚本が妻の那須真知子。これはもしかしたらヤバイかも......。

新キャラ、かえるがすべてをぶち壊す!

しかし、主演の声優は神木隆之介くんだし、その他の声優も豪華ラインナップである。主題歌はいきものがかり。このメジャー感あふれる映画を見ないままクソ映画と断罪してしまってもいいものだろうか。おそらくネットのアンチはほぼ観ないで悪口を書いている。ちゃんと観たら意外といいのではないか。そんな僅かな期待を背負って、原典に当たるべく僕は映画を観た。

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『カメ止め』とは違い、終始、低いトーンというか、ダウナーな感じで物語は進む。物語自体が最初から悲しみを帯びている。もちろんギャグも満載なのだが、決してアッパーにはならない。このオフビート感、悪くない。初期山下敦弘作品のオフビート感と似ている。つげ義春の漫画の空気感とも近い。なかなかいける。そう思った矢先にすべてをぶち壊してくれたのが、映画オリジナルキャラクター、かえるだ。こいつがウザい。チンピラ芸人風情で「マジすか」を連呼し、とにかく空気感をめちゃくちゃにしてくれた。こいつが最後までいる。ある意味で、『マグノリア』(1999)とは正反対の映画だった。

(文/神田桂一)

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『100日間生きたワニ』
2021年7月9日(金)より全国東宝系にて公開中

監督・脚本:上田慎一郎、ふくだみゆき
出演:神木隆之介、中村倫也、木村昴 ほか
配給:東宝

2021/日本映画/63分
公式サイト:https://100wani-movie.com/
(C)2021「100日間生きたワニ」製作委員会

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