いつまでも愛される戯曲『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』
『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』 11月13日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
突然ですが、シラノ・ド・ベルジュラックを知っていますか? 今年は知らない人もシラノ・ド・ベルジュラックに出会う絶好の機会なのです!
17世紀のフランスに実在した剣豪にして作家、理学者、哲学者でもあったシラノ・ド・ベルジュラックの物語をエドモン・ロスタンの戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」として世界中に知れ渡ることになった。
2年近くスランプに苦しむ劇作家のエドモンが、初日まで3週間しかない訳あり舞台の台本を書くことになる。まだ真っ白の台本に悩んでいるのに、さらに親友からはラブレターの代筆を頼まれてしまうが、その代筆をきっかけに舞台の台本の筆が進み始める。だが、わがままな女優、細かいスポンサー、妻の嫉妬と難題は山積み...。果たして舞台はどうなるのか...。
私はシラノ・ド・ベルジュラックをよく知らないままこの作品を鑑賞した。本作は舞台を作る過程のストーリーなのだが、その出来上がった舞台「シラノ・ド・ベルジュラック」は過去に映画化もされている。映画は第23回アカデミー賞主演男優賞、第63回アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞している。どんなに時間がたっても愛されるそのストーリーは、容姿に自信のもてない主人公が愛する女性を一途に愛し続ける物語だ。
「シラノ・ド・ベルジュラック」が長く愛される作品であるのは普遍のテーマがあるからこそ。容姿についてのコンプレックスはどの時代にも誰にでもあるものだろう。そして、この作品のなんと言っても魅力的なポイントは美しい愛の言葉にあるだろう。ストレートに好きと伝えることも素敵だけど、古き良きというのだろうか直接的に好きと伝えないけれど好きがあふれている恋文にドキドキする。
今年は「シラノ・ド・ベルジュラック」に出会う絶好の機会だ。この映画以外にも12月には宝塚歌劇団星組の公演が決まっている。また、ナショナル・シアター・ライヴ2020も12月に劇場で鑑賞出来る。現代語訳された「シラノ・ド・ベルジュラック」は主演をX-MENシリーズで知られるジェームズ・マカヴォイが演じている。
シラノ・ド・ベルジュラックに会いに劇場に行ってみてはいかがでしょうか?
(文/杉本結)
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『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』
11月13日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
監督・原案・脚本:アレクシス・ミシャリク
出演:トマ・ソリヴェレス、オリヴィエ・グルメ、マティルド・セニエ、トム・レーブ、リュシー・ブジュナー
配給:キノフィルムズ/東京テアトル
2018/フランス/112分
公式サイト:https://cyranoniaitai.com/
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