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ハリウッド黄金期の"光と闇"に心震える『ジュディ 虹の彼方に』

『ジュディ 虹の彼方に』 3月6日(金)全国ロードショー

 先日の第92回アカデミー賞授賞式にて、見事『ジュディ 虹の彼方に』で主演女優賞を受賞したレネー・ゼルウィガー。レネーといえば『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズのイメージが強いですが、そんな彼女が『ジュディ 虹の彼方に』で演じたのは、ハリウッド黄金期、1939年の『オズの魔法使』で一躍スターダムに駆け上がったジュディ・ガーランド。レネーは本作で自らの歌声で圧巻のパフォーマンスを披露し、話題となりました。そんな本作、ハリウッド黄金期の"光と闇"を知ることができます。

 17歳のジュディ・ガーランド。彼女は『オズの魔法使』でオズ役に大抜擢されますが、自由がきかず、普通に食べることも寝ることも許されない生活を送らなくてはなりませんでした。時が経ち1968年の冬。借金まみれのジュディは、子どもたちと暮らすために単身ロンドンへ渡り、舞台に立っていました。彼女が47歳で亡くなるまでの最期の日々、どんな思いでステージに立ったのでしょうか......?

 華やかな舞台の裏側で貴重な少女時代を奪われたジュディ。本編の中ではところどころその辛い少女時代が映し出されるのですが、名声のための辛抱や孤独などが、47歳のジュディに影響していることを思い知らされます。ステージの光を浴び、華やかにショーをこなす「光」の部分と、心に抱える「闇」の部分。その両方を目の当たりにした後のレネーの迫力の歌唱パフォーマンスには心震えます。

 今もなお愛され続けるジュディ。彼女の最期のストーリーとともに、アカデミー賞を受賞するほどの素晴らしいレネーの演技をぜひ大スクリーンで堪能してください。『ジュディ 虹の彼方に』は3月6日ロードショー!

(文/トキエス)

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『ジュディ 虹の彼方に』
3月6日(金)全国ロードショー

監督:ルパート・グールド
脚本:トム・エッジ
原作:舞台「End Of The Rainbow」 ピーター・キルター
キャスト:レネー・ゼルウィガー、フィン・ウィットロック、ルーファス・シーウェル、ジェシー・バックリー、マイケル・ガンボン ほか
配給:ギャガ

原題:JUDY
2018/イギリス/118分
公式サイト:https://gaga.ne.jp/judy/
© Pathé Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019

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