新しいことをはじめる人におすすめ『Page30』

『Page30』4月11日(金)より渋谷 ドリカム シアター他 全国映画館にて公開
東京で最も有名な場所といってもいいかもしれない。若者のポップカルチャーの生まれる場所としても有名な「渋谷」、そこに2025年4月新たに「渋谷 ドリカムシアター」なるものが誕生するらしい。映画『Page30』をはじめ、「音楽」「文化」「ダンス」「食」など多彩なジャンルが混じり合い、懐かしくも新しくも感じられるスポットとなるらしく、とても気になる。
このドリカムというのは夢がはじまり、かなっていくことを願う、ひとりひとりにとってのDREAMS COME TRUEという意味が込められているそうだ。
そして、今回紹介する『Page30』はミュージシャンとして活躍するDREAMS COME TRUEの中村正人さんがエグセクティブプロデューサーとして堤監督にオファーをすることでスタートした企画だ。
登場人物はほぼ主演の4人だけ。4人が30ページの台本を渡され当日まで誰がどの配役になるが分からない中で4役すべてを3日間で仕上げて舞台に上がるというストーリー。その舞台はただの舞台ではなく4人の実力が試されるものとなっていた。
劇中に登場する4人の女優役を務めるのは、Netflixオリジナルシリーズ「極悪女王」長与千種役の熱演で一躍注目を集めた唐田えりか。
そして70本以上の映画、60本以上のドラマ、50本以上の舞台出演と圧倒的な女優経験を誇り、2013年には第48回紀伊國屋演劇賞個人賞・受賞を果たした林田麻里。
さらに数々のドラマ・映画出演の女優業から企画プロデュースまでこなし、映画『truth~姦しき弔いの果て~』のプロデュースでは海外映画祭にて9冠受賞など、マルチに活躍する広山詞葉。
最後にロックバンド「HIGH and MIGHTY COLOR」の女性ボーカルとしてメジャーデビュー、日本レコード大賞・新人賞受賞なども果たし、今回本格的に女優業もスタートさせたMAAKIII。
本作、すごく夢中になって見入ってしまった。映画を観ているのか舞台を観ているのか少し混乱するくらいに世界に入り込める作品だった。舞台稽古を観ていく中でその舞台の作品の内容も徐々にわかってくる。そして、最初の台詞を覚える段階から、各役になりきり演じていく女優としての本質とプライド、なりたい役への熱意など駆け引きも熱くぶつかり合いリアルに感じることができた。
それぞれに抱えるものがあったとしても、1つのものを作り上げるという同じゴールにみんなで向かっている姿は、どこか部活動に参加している時のような懐かしい感覚も蘇えらせてくれる。本作、渋谷での上映がメインということだが、単館上映ではもったいないと思えるほど良い作品となっている。未来への応援や希望、まだまだこれからやれる未知数の可能性を感じることのできる作品で、鑑賞後ポジティブな気持ちになれるのでこの春という季節におすすめしたい1本だ。
(文/杉本結)
『Page30』
4月11日(金)より渋谷 ドリカム シアター他 全国映画館にて公開
原案/監督:堤幸彦
出演:唐田えりか、林田麻里、広山詞葉、MAAKIII
配給:DCT entertainment, Inc.
2025/日本映画
公式サイト:https://page30-film.jp
予告編:https://youtu.be/s1G6FAc9S1Q
© DCTentertainment, Inc.