和風タップダンスが最高！『レディ加賀』

『レディ加賀』 2月2日（金）石川県先行公開／2月9日（金）新宿ピカデリー他全国ロードショー

2024年が始まった日、石川県では大きな地震に見舞われた。誰もが思わぬ事態に驚き、今もまだ被災地は大変な状況が続いている。

今回紹介する『レディ加賀』は、10年前に加賀温泉を盛り上げるために結成された旅館の女将たちによるプロモーションチーム「レディー・カガ」から着想を得て企画された作品だ。

主人公、樋口由香（小芝風花）は、加賀温泉にある老舗旅館「ひぐち」の一人娘。小学生の時に見たタップダンスに魅了され、上京してタップダンサーを目指したものの現実はうまくはいかず、夢を諦めて実家に戻って女将修行を始めることに。何をやっても不器用な由香は女将修行に苦戦するものの、持ち前の明るさとガッツで奮闘する。そんななか、加賀温泉を盛り上げるためのプロジェクトが発足し、由香は新米女将たちを集めてタップダンスのイベントを開催することになるが......。

樋口由香を演じるのは映画、ドラマなど幅広く活躍する今最も注目の女優、小芝風花。昨年からほぼ休みなくドラマに出演し続けているため、彼女を見ないクールがないように思う。今回、タップの練習を長い時間をかけてしたのは観ていたらわかるし、その真剣な眼差しが力強く、とても印象的だった。

由香とともにタップダンスチームを結成し奮闘する新米女将たちに、松田るか、中村静香、八木アリサ、奈月セナ、小野木里奈、水島麻理奈、由香の同級生で加賀温泉のPR に尽力する加賀市職員に、青木瞭と旬の若手が並ぶほか、タップダンスイベントで町おこしを企画する天才観光プランナーに森崎ウィン、由香の母親であり老舗旅館「ひぐち」の女将でもある樋口春美を檀れいが演じる。さらに、篠井英介、佐藤藍子と個性溢れる実力派俳優が顔を揃える。魅力的な歴史ある加賀温泉郷を舞台に今の時代に観てほしい、笑って泣いて心の芯まで温まる感動のハートフルムービーが誕生した！

旅館に勤める女将が、お客様との出会いは一期一会と言っていたのがとても心に響いた。そんな一人ひとりのお客様と向き合っている女将の姿に、また来ようと思うのだろう。旅行で初めて訪れる時は何もわからないけど、何度も同じところに行って覚えてくれる人がいたりすると、また行きたいなとなるのが人情。

特に、温泉は癒されに来ている人が多い。その時に、身も心も癒されて気持ちいい状態になれたらまた来たいと思う。そういった温かみのある作品であった。それとともに、若いパワーがみなぎっている作品だったので、観ていて清々しい気持ちにもなれた。
本作、鑑賞すると一部地震の寄付にあてられるということなので、ぜひ劇場で観てほしい！

（文／杉本結）

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