つながりを持とうとする男の"失敗の連続"『タクシードライバー』
- 『タクシードライバー [Blu-ray]』
- ロバート・デ・ニーロ,ジョディ・フォスター,ハーベイ・カイテル,マーティン・スコセッシ
- ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- >> Amazon.co.jp
- >> HMV&BOOKS
1976年の映画『タクシードライバー』。映画公開から40年以上経った今でも、愛され続けているこのスリラー作品は、孤独な男が人とのつながりを持とうとするも、ことごとく失敗していく様を描いています。
ロバート・デ・ニーロ演じる帰還兵のトラヴィスは、タクシードライバーの仕事につき、ある女性に一目惚れ。トラヴィスはなんとかデートに誘うも、彼女をポルノ映画に連れて行き、フラれてしまうのです。他にも、政治家が乗車してきた時、政治の知識もなくゴマスリすることで不信感を相手に持たせたり、さらには12歳の売春婦と親しくなろうとするも、怖がらせてしまったりするのです。このように人と繋がろうと頑張るも"失敗の連続"を味わったトラヴィス。孤独と向き合う彼の中に「怒り」の感情が合わさり、彼はとんでもない行動を起こしてしまうのです。
新型コロナウイルスのパンデミックを終えた今、私たちは、コロナ前よりも孤独を感じやすくなっているのではないでしょうか。そんな時にこの作品を見ると、疎外感を持ち続けるトラヴィスに共感できる部分も多くあるかと思います。そんな彼が執着心を持っているのは、12歳の売春婦を救うこと。ある種の「ヒーローになりたい」という歪んだ思いを持つ青年を、若かりし頃のロバートが見事に演じ切っています。
実は最近、ロバート・デ・ニーロがロンドンで撮影される配車サービス「Uber」のCMに出演してトラヴィス役を再演し、有名なセリフを披露するというウワサが浮上。ネット上で大盛り上がりを見せていました。しかし、Deadlineの報道によると、ロバートの広報担当者はこのウワサを否定。個人的にはこのウワサが本当であってほしかったので残念でした。
(文/トキエス)