もやもやレビュー

知らぬが仏?『イビルアイ』

『イビルアイ』 2023年7月28日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

夏といえば、背筋がひんやりとこおるような作品を観たくなりませんか? ホラー、スリラー、サイコ、サスペンスとさまざまなジャンルがありますが、今回紹介するイビルアイはメキシコからやってきたスリラー。スリラーとは本来なら身近な安心できる存在だった人によって主人公が脅かされる作品のことをいいます。

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13歳の少女ナラが、祖母の不可解な行動から祖母が人間ではない何者かであることを疑い始め、恐怖に怯えながら隠された秘密を暴いていくスリラー作品。
昔話と現在起こっている出来事が少しずつリンクしているのかどうなのか。そこが謎解きの鍵になっているようでとても楽しめました。
知らない土地で知らない慣わしの中に姉妹は取り残され、両親は不在、一緒に過ごす祖母の行動が怪しいとしかいいようがなくても、子どもだけでは太刀打ち出来ないもどかしさ。
さらには夢か現実か境目も定かではなくなってくる状況に、主人公の気持ちがぽきりと折れてしまわないか心配しながらも、戦おうと、もがき苦しむ姿にいつのまにか応援したい気持ちが沸々と湧いてきます。

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ラストまで駆け抜けるタイプの作品で、鑑賞後「知らなくてもいいこと」について考えました。なんでも知っていることが幸せとは限らない。知らなきゃ良かったということもある。そんなことを考える作品でした。

(文/杉本結)

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『イビルアイ』
2023年7月28日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

監督・脚本:アイザック・エスバン
出演:オフェリア・メディーナ、パオラ・ミゲル、サマンサ・カスティージョ
配給:AMGエンタテインメント

英題:Evil Eye
2022年/メキシコ/100分
公式サイト:https://evileye-movie.jp
予告編:https://youtu.be/ezD07oYyNxc
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