もやもやレビュー

過去に浸り涙。『CLOSE/クロース』

『CLOSE/クロース』 7月14日(金)より全国公開

監督を務めるのは、前作『Girl/ガール』で第71回カンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)を受賞し、鮮烈なデビューを飾ったルーカス・ドン。今回は学校という場所を舞台に2人の少年の心の葛藤が美しい色彩と共に描かれる。

本作の主人公は、花き農家の息子で活発なレオと、少し引っ込み思案だが音楽の才能豊かな幼馴染のレミ。性格は違えど、24時間365日ともに過ごしてきた2人は兄弟のような関係だ。13歳になり中学校に入学する2人。しかし親密過ぎる関係をクラスメイトに指摘され、周囲を気にしたレオはレミと距離を置くようになっていくが...。

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本作、世界中の誰もが10代の頃に抱いたことのある懐かしい感情へと引き戻される。
同性の友達との距離感がわからず、10代という若さからあらゆることに経験値もなくlikeとloveどちらの感情なのか自分自身の感情さえもわからない。

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私自身も思春期にいつでも手を繋いだり、腕を組んでくる同性の友達がいた。それがむず痒く感じた私はレオのように少し距離をとってみた。その時に、その先のことなんて全く考えもしていなかった。
相手の気持ちを考えてあげることができていなかった当時の自分の行動に、いまさらながら本作を鑑賞しながら気付かされた。

過去の自分と向き合う有意義な時間となること間違いない本作。劇場でじっくり過去の自分と対話するかけがえのない時間となるはず。

(文/杉本結)

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『CLOSE/クロース』
7月14日(金)より全国公開

監督:ルーカス・ドン
出演:エデン・ダンブリン、グスタフ・ドゥ・ワエル、エミリー・ドゥケンヌ ほか
配給:クロックワークス

原題:Close
2022年/ベルギー・オランダ・フランス/104分
公式サイト:https://closemovie.jp
予告編:https://youtu.be/kibK7xvdW7I
© Menuet / Diaphana Films / Topkapi Films / Versus Production 2022

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