明日へのやる気に。『マイ・インターン』

　女優アン・ハサウェイが登場する映画で、たくさんの女子にトキメキとやる気を与えたのが『プラダを着た悪魔』。今回は、そんな『プラダを着た悪魔』のようなやる気を出してくれる作品で、なおかつ女子だけでなく多くの世代の人に刺さる作品をご紹介します。名優ロバート・デ・ニーロがアンと共演した映画『マイ・インターン』です。

　70代の男性、ベン（ロバート・デ・ニーロ）が物語の主人公。彼は、妻に先立たれ、定年退職後の生活は決して楽ではないことに気づき、オンライン・ファッションサイトの会社にてシニアインターンとして働くことを決意。見事面接で仕事を得たベンは、経営者かつ設立者のジュールズ（アン・ハサウェイ）の直々のインターンとなることに。ジュールズはベンにとって、21世紀の模範的な起業家タイプ。一方ベンはジュールズにとって、経験豊富で紳士的な人生の先輩。そんな世代が違う2人の間に、友情が生まれていきます。

　本作で監督・脚本・製作を務めたのは、『恋愛適齢期』『ホリデイ』『恋するベーカリー』など、ロマンティックな人間関係をリアルに描き出すことが得意なナンシー・マイヤーズ。これまでは、普段出会うことがないような男女が恋に落ちる様子を描いていますが、『マイ・インターン』で彼女が描いたのは、ロマンチックな関係ではないのが、面白いポイント。男女の間に友情が成立するかどうか......なんて議論は、至る所でされていますが、本作のジュールズとベンの友情が、とってもほっこりして、羨ましくも思えます。そんな本作、仕事やプライベートで嫌なことがあった時も、いい意味で現実逃避させてくれる作品となっています。シニア世代の活躍が、若者が多い職場で描かれていることで、老若男女に刺さる作品になっています。

（文／トキエス）