アカデミー賞最多ノミネート!『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』 3月3日(金) よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中
MARVEL映画で、ストーリーの核ともなってきている並行世界の存在をマルチバースという。MARVELの大ヒットで観客にマルチバースが説明不要になったとも言えることを逆手にとって(?)、今回紹介する『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(通称エブエブ)は見事に132分という映画の枠の中で複雑な世界を面白く描ききった。
破産寸前の危機に陥ったコインランドリーの経営をする中国系アメリカ人の家族。気の弱いエブリン(ミシェル・ヨー)の旦那ウェイモンドの様子が普段と違うと思ったら、突如マルチバースにジャンプし、宇宙と家族を救うためエブリンは"普通のおばさん"から一転、"全宇宙を救う救世主"という壮大な使命へと足を踏み入れることとなる。
本作で非常に面白いと思ったのがミシェル・ヨーが演じたエブリンというキャラクターがマルチバースで訪れる世界の設定。
カンフーの達人でありながら煌びやかな世界で生きている世界。これってミシェル・ヨーご本人にそっくり! 彼女は女性ジャッキー・チェンと言われるほどに若い頃はスタントなしでアクションシーンをこなしていた経歴があり、『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』は特に印象的な作品。
そして、元旦那はとてもお金持ちな方でミシェル・ヨーはかなりセレブな生活をしている様子。普通のなんの特技もなかったエブリンがマルチバースに何をしに行くのかというと、違う世界の自分が持っている能力をダウンロードして敵と戦えるようにしにいっているのだ。
その中で、マルチバースを使うためには何か凄いショックが必要で、お漏らしをするとか本当に驚くことばかり。突然にすごい下ネタが現れたりと、とにかく画面から目を離す隙は全くない! えっ、いまなにを見せられているの!?という状態が無限に広がっていたはずなのに最後は家族の物語としてじんわり心に染みて涙腺が...。
本当に不思議な映画。今までにないジャンルかもしれない。バトルありバトルありの涙あり、ホッコリと終われる。楽しい映画なので友達とみるのにおすすめだ。
(文/杉本結)
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
3月3日(金) よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中
監督:ダニエル・クワン ダニエル・シャイナート
出演:ミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァン、ステファニー・スー、ジェイミー・リー・カーティス
配給:ギャガ
原題:Everything Everywhere All at Once
2022/アメリカ/139分
公式サイト:https://gaga.ne.jp/eeaao/
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