恐ろしい"遺産"を引き継いでしまう娘『インヘリタンス』

　ニューヨークの富豪一家の家長が突然亡くなり、遺産を引き継いだ娘に遺されたものはなんとも恐ろしいものだった......。リリー・コリンズが主演を務め、サイモン・ペッグが謎の男を演じる映画『インヘリタンス』は、そんなシンプルなストーリーラインを名優たちが体当たり演技で魅せる素敵なミステリー作品でした。

　銀行家のアーチャー・モンローが突如亡くなってしまい、アーチャーの莫大な遺産は、妻キャサリン、政治家の息子ウィリアム、地方検事の娘ローレンに相続されることに。ウィリアムには巨額が遺された一方で、ローレンは一家の顧問弁護士からあるUSBと鍵を渡されます。そのUSBを見てみると、なんと父アーチャーからのビデオメッセージが。彼は、裏庭に"ある秘密"があり、それを託したいといいます。ローレンは、早速その場所へ向かうと、なんとモーガンと名乗る男性が監禁されていました。彼はアーチャーによって30年以上も監禁されていたと主張し、ローレンの良心に訴え、解放してほしいと懇願します。

　正義感の強い地方検事で、父アーチャーとの仲もそんなに良くなかったローレンが、モーガンと交流していく中で、父が隠していた真実を知っていく。本作で注目なのは、ラブコメ作品などのヒロインのイメージが強いリリー・コリンズの体当たり演技。泣き叫んだり、ブチギレたりするシーンが多く、彼女の印象がガラッと変わりました。モーガンを演じたサイモン・ペッグもコメディのイメージが強いのですが、本作で長年監禁されていた男を演じるためになんと12キロも減量したのだそうです。果たしてモーガンは何者なのか......ぜひ最後の最後まで見届けてみてください。

（文／トキエス）