もやもやレビュー

悲劇をコメディタッチに描いた『奈落のマイホーム』

『奈落のマイホーム』 11月11日(金) よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

いつか、自分たちのマイホームを手に入れる。それは仕事を頑張る糧になったり、憧れだったりする人は多くいるだろう。家庭があれば、パートナーや子供のことを考えての夢のマイホーム。
韓国では2017年以降、首都圏を中心に「不動産バブル」に歯止めがかからない状況にある。現在では同じマンションが5年前の倍の値段ほどになっている(5000万だった家が1億円!)。20代、30代のマイホーム購入渋りは進んでいる状況だという背景を知って今回紹介する『奈落のマイホーム』を鑑賞すると良いだろう。

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そんな韓国のおうち事情の中でも11年夫婦で節約生活の末に少し無理して首都圏付近にようやくマイホームを購入したサラリーマンが主人公。題名の通り、入居直後からマンションの異変に気づく。ビー玉がコロコロ転がるシーンはなんとも言えないモヤッとした気持ちに。さらには窓が開きにくいなどトラブルが多発。もう、嫌な予感しかしない!
そして、起こるべくして予期せぬ事態は突然にやってくる。

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きっと、現実に同じことが起こったとしたらこんなに笑ったりすることは出来ないだろうが、本作はとにかくコメディタッチで苦難を描ききっているので笑いながら鑑賞できる。
どう考えても、製作サイドが観客を笑わせにかかっているとしか思えないが、やっぱりこうきたかというギャグなのに、まんまと笑ってしまった。そして、古典的なギャグが1番面白いことに気付かされた。

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もしも、マイホーム購入直後に地盤沈下が起こったりしたらと思うとゾッとするが、深刻な問題を笑いに変えて楽しめるのも映画ならではのパワーだと改めて感じることの出来る作品であった。

(文/杉本結)

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『奈落のマイホーム』
11月11日(金) よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

監督:キム・ジフン
出演:チャ・スンウォン、キム・ソンギュン、イ・グァンス、キム・ヘジュン ほか
配給:ギャガ

原題:Sinkhole
2021/韓国/114分
公式サイト:https://gaga.ne.jp/naraku/
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