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一向に反省しない子どもを諭すのは、トイレに入ってから?『カモン カモン』

『カモン カモン』 4月22日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中

まわりの知人から、「モノクロームの映像が美しい!」「淡々と日々が描かれているが、絶対に観ておくべき作品!」といった声を何度も聞いて鑑賞しました話題作『カモン カモン』。監督は『人生はビギナーズ』などの作品で知られるマイク・ミルズ。そして主演は、あの『ジョーカー』で怪演を魅せたホアキン・フェニックスです。

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ニューヨークでひとり暮らしをする、ホアキン演じるラジオジャーナリストのジョニーは、妹から頼まれて9歳の甥ジェシーを数日間見ることになります。まずはロサンゼルスの妹の家でジョニーはジェシーと一緒に過ごすのですが、しばらくしてジョニーは仕事の都合でジェシーを連れてニューヨークのアパートに。突然始まったふたりの共同生活ですが、無邪気で好奇心旺盛なジェシーは時にジョニーを困らせることも。やがてジェシーはホームシックになったのか、身勝手な行動を取るようになります。突然スーパーで姿を消したり、ロサンゼルス行きの空港へ向かうタクシーの中で「我慢できない」と嘘をついてトイレに駆け込み、そこで立て籠ってしまったり......。

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しかし、それまで好き放題に行動してきても一切反省してこなかったジェシーが、初めて自分の身勝手な行動を、立て籠った個室トイレの扉越しにジョニーに突如として謝り出すのです。「クルマの運転席と助手席という位置関係の方が本音を話しやすい」という話を聞いたことがありますが、それに加えて個室トイレは狭い空間の中で自分自身と向うことのできる異質な場所。面と向かってではなく「個室トイレの扉越しに」という状況がジェシーの自尊心を和らげたのでしょうか。まったく反省しない我が子に手を焼いているみなさん、じっくり諭すタイミングはもしかしたら子どもがトイレに入っている時かもしれません。

(文/9番)

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『カモン カモン』
4月22日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中

監督・脚本:マイク・ミルズ
出演:ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン、モリー・ウェブスター、ジャブーキー・ヤング=ホワイト
配給:ハピネットファントム・スタジオ

原題:C'MON C'MON
2021年/アメリカ/ 108 分
公式サイト:https://happinet-phantom.com/cmoncmon/
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