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実は知らない『オードリー・ヘプバーン』

『オードリー・ヘプバーン』 5月6日(金)TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国公開

名前を聞いたことがないなんて人はいないのではないのか?というほどに有名なオードリー・ヘプバーンだが、この人がどんな人生を歩んだのかを知っている人は、知名度に対して少ないかもしれない。
綺麗な容姿にキラキラと舞う妖精のような姿、華やかなスター街道に満ち足りた人生だったに違いないと思いきや、実際は全く違った。
幼い頃に戦争を経験し、地下に何年も隠れ住むことをしいられ満足に食べられず好きな踊りを自由に踊ることもできなかった。そして、父親に愛されていないと感じていた。そんなオードリーが『ローマの休日』でアカデミー賞を受賞したことにより一躍時の人となり、スター街道を歩むことになったのだ。

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有名になってもオードリーはごく普通の家庭を夢みて、当時はとても珍しいことだったが絶頂期といえる時期に10年ほど家庭を優先して仕事をしていない。
子どもとの生活を優先した気持ち、同じ母親として共感できる部分が大きかった。
子どもとの時間は限られている。仕事をしていたら子どもの貴重な初めて出来た!というシーンに立ち合ったり、些細なことでも聞いてあげる時間が持てなかったりするだろう。仕事を完璧にこなさなければいけないとなれば家庭との両立は難しいと判断したという気持ちもわかる。

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彼女はこんな言葉を残している。
「愛があれば苦労が苦でなくなる』
私たちには想像もできないほどの苦労を知っているからこそ出てきた名言なのだろう。
オードリー・ヘプバーンがどのような人だったのか垣間見ることの出来る素敵な作品だった。今もなお、廃れない彼女のファッションを支えたジバンシィとの話も見どころのひとつだ。

(文/杉本結)

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『オードリー・ヘプバーン』
5月6日(金)TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国公開

監督:ヘレナ・コーン
キャスト:オードリー・ヘプバーン、ショーン・ヘプバーン・ファーラー、エマ・キャスリーン・ヘプバーン・ファーラー、クレア・ワイト・ケラー、ピーター・ボクダノヴィッチ、リチャード・ドレイファス ほか
配給:STAR CHANNEL MOVIES

2020年/イギリス/100分
公式サイト:https://audrey-cinema.com
©️2020 Salon Audrey Limited. ALL RIGHTS RESERVED.

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