もやもやレビュー

犯人の狂気に触れる『死刑にいたる病』

『死刑にいたる病』 5月6日(金)全国公開

注目の作家、櫛木理宇の最高傑作と謳われる同名小説の映画化。
『孤狼の血』シリーズの白石和彌監督がメガホンをとると聞いたときからやばそうな作品がまたひとつ増えてしまうと思ったが、予想を上回る狂気に触れた。

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稀代の連続殺人鬼である榛村大和(阿部サダヲ)から手紙を受け取った大学生の筧井雅也(岡田健史)。そこには「罪は認める。しかし最後の1件だけは冤罪だ。最後の1件を誰が行ったかを調べてほしい」と記されていた。中学生の頃、近所でパン屋を営んでいた榛村に恩を感じていた雅也は手紙の内容を理解して、独自の調査を始めることになる。

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冤罪か、それとも犯人の嘘なのか? 2転3転する展開にスクリーンにくぎづけとなった。
犯人はサイコパスな犯罪者。殺人に至るまでにターゲットと仲良くなり心許す関係となってから痛ぶるという理解に苦しむ展開に心拍数は急増! 体調のいい時に見てください! そんな警告をしたい作品なのだが、ミステリーとしても完璧なのが憎めない。

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人間の心の弱い部分に漬け込み楽しむ彼の心情は理解できないけれど、もしもこの時、彼に優しさがあったなら......という瞬間が何度もおとずれた。
そう思ったのは、榛村が弱さをみつけることが上手だったから。その能力を、殺人ではなく、優しさに変換できていたなら......。

犯人の心理に触れることがこれほどに自分の人格に影響するのかとゾッとした。
ラストの展開には驚きとともに、ゾワっとする。これ、暗い映画館の大きなスクリーンでみるのに最高の作品だと思います!

(文/杉本結)

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『死刑にいたる病』
5月6日(金)全国公開

監督:白石和彌
原作:櫛木理宇「死刑にいたる病」(ハヤカワ文庫刊)
出演:阿部サダヲ、岡田健史、岩田剛典/宮﨑優、鈴木卓爾、佐藤玲、赤ペン瀧川、大下ヒロト、吉澤健、音尾琢真/中山美穂
配給:クロックワークス

2022/日本映画/128分
公式サイト:https://siy-movie.com
©2022映画「死刑にいたる病」製作委員会

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