もやもやレビュー

度を超えたスパルタ指導で人はどうなる?『セッション』

セッション [Blu-ray]
『セッション [Blu-ray]』
マイルズ・テラー,J・K・シモンズ,デイミアン・チャゼル
ギャガ
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 第87回アカデミー賞5部門にノミネートされたことでも話題となった映画『セッション』。ドラマーとしての成功を夢みて名門に入学してきた青年と、鬼コーチのスパルタレッスンを描いた本作は、強烈で刺激が強い一本でした。

 主人公は、世界で活躍するジャズドラマーを目指し、名門音楽学校に入学してきたニーマン(マイルズ・テラー)。彼は、有名コーチであるフレッチャー(J.K.シモンズ)の目に留まり、彼からの指導を受けることに。少しのミスも許さない完璧主義のフレッチャーは、生徒であろうが容赦なく罵声を浴びせます。ニーマンも最初は涙を流していたものの、耐えながら毎日練習していました。しかし、次第に精神が蝕まれていき......。

 注目は、フレッチャーがニーマンに、「テンポが速いのか遅いのか自覚しているか」と問いただすシーン(結構序盤です)。この時フレッチャーはニーマンにビンタを何度も繰り返し、テンポを身につけようとさせます。次第にニーマンの頬は赤くなり、目には涙が......。ちなみにこのビンタのシーンは、シモンズがマイルズの頬をビンタする"真似"で何度かテイクを撮影していたそうでしたが、最後のテイクで彼らは本当にビンタをすることを決意。そして、このテイクが最終的に使われたそうです。この迫力満点のシーンだけでも恐ろしすぎるのに、フレッチャーは "鬼コーチ"っぷりは、どんどん度を越して狂気に変わっていきます。

 また、ニーマンの手に血が滲み、ドラムスティックが赤くなっていくシーンも印象的なのですが、手からの出血はマイルズ本人のもの。実は、マイルズ自身15歳からドラムを叩いており、さらにこの映画のために週3日、1日4時間のレッスンを追加で受けていたそうです。IMDbによると、そのドラムの腕前も評価され、マイルズのドラム演奏の約40%が実際にサウンドトラックに使用されたのだとか。

 言葉を失う狂気のレッスンの連続で、ニーマンは一体どうなってしまうのか。精神的に追い詰められていく彼を見ながら、最後にあるどんでん返しに衝撃を受けること間違いなし。

(文/トキエス)

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