好きな人とみたい!『最初の恋、最後の恋人』
『最初の恋、最後の恋人』 4月1日(金)シネマート新宿ほか順次公開
韓国映画をみるなら、ゾンビもいいけどやっぱり恋愛映画の空気感が最高だ!と再認識しました。
恋愛がストーリーの中心となる韓国映画をみた時の、恋する2人にキュンキュンする感覚。男性からのストレートな愛の言葉が毎回素敵で、いつのまにかヒロイン気分になれるのでおすすめです。
友達以上、恋人未満だった高校の同級生スンヒョン(キム・ドンジュン)とジア(キム・ジェギョン)は、気持ちを伝えられないまま離れ離れになってしまう。7年後、故郷に戻ってきたジアは、地元でパティシエとして成功したスンヒョンと再会する。ついに互いの気持ちを確認し、再び恋に落ち、幸せへと向かうはずの2人だったが、それぞれに秘密を抱えていた...。
本作では、2人の抱える問題が記憶を失っていく彼と余命わずかな彼女ということで、お互いに抱えるものが大きかった。
好きだけど、一緒にいることで彼をいつか1人にしてしまう。自分の気持ちに蓋をしていたジアだけれど、その本心を理解する母親が、背中を押す言葉をポツリポツリと語りかけるシーンは素敵でした。
一方のヒョンは、ジアに何度拒絶されても諦めずにアタックしてくれる。その姿には、女性にとっては本当にこんな人がいたらいいなが詰まっていました。
2人の学生時代のエピソードの回想シーンでは、たびたび線路の上をあるく姿が映しだされますが、それが2人の人生を表現しているようでした。線路はどこまでも続いているようでどこかに最後の場所がある。その距離は長いか短いかわからないけれど、最後の時のことよりそこにいくまでの過程を思い切り楽しいものにしよう。そんなメッセージがつまっているシーンに思えました。
少し前になりますが、秋元康さんが作曲しAKB48が歌っていた楽曲『365日の紙飛行機』の歌詞『その距離を競うより どう飛んだか どこを飛んだのか それが一番 大切なんだ』。まさにこの歌詞がぴったりくるような映画でした。
好きな人と過ごす時間を大切にしたいと思える作品でした。
(文/杉本結)
『最初の恋、最後の恋人』
4月1日(金)シネマート新宿ほか順次公開
監督:キム・ジョンミン
出演:キム・ドンジュン、キム・ジェギョン、ユン・ユソン、ホ・ジョンミン、チン・イェソル
配給:クロックワークス
2021年/韓国/101分
原題:간이역 英題:A WAY STATION
公式サイト:https://klockworx-asia.com/koi/
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