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アカデミー賞の期待高まる『コーダ あいのうた』

『コーダ あいのうた』 1/21(金)より全国公開

アカデミー賞の前哨戦とも言われるゴールデングローブ賞にノミネートされ、アカデミー賞でのノミネートも有力視されている本作。サンダンス映画祭ではグランプリに輝き、さらに観客賞も受賞している。
大ヒットしたフランス映画『エール!』(2014)のリメイクでもあるのだが、設定の違いにより作品の中には新しさがあり主軸は同じであったとしても新鮮さがあり、『エール!』をみたことがある人もない人も新しい1本として楽しめるだろう。

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聾唖者の夫婦の元に生まれた娘ルビーは聴覚に異常がなかった。なにかとソリの合わない兄も聾唖者で家族との会話には手話が必須だった。家族が他の人と話をする時や大事な場所にはいつもルビーが付き添い、通訳としての役割をはたしていた。そんなルビーも高校生になり大学進学を考えるようになる。ルビーが目指したのは音楽大学。音が聞こえない家族からの理解を得ることは難しく、そんな矢先に家族の収入源でもある漁が出来なくなるかもしれない危機的状況がやってくる。ルビーは進学を諦め家族との生活を選ぶが...。

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題名の「CODA(コーダ)」とは、Children of Deaf Adults="聴覚障がいがある親を持つ聴こえる子ども"の意。また、音楽用語としては、楽曲や楽章の締め、つまり新たな章の始まりの意もある。
鑑賞後にコーダという題名の意味を知り作品にピッタリだと感じた。

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本作の魅力を3つ挙げたいと思う。
最初に「家族愛」について。親が子離れ出来ていないのは明らかなのだが、聾唖者であることを理由にどうしても娘を家に縛りつけてしまっていた。頭ではわかっていても娘に頼りきった生活をしていたから、離れることが怖かったんだと思う。また、そんな妹のことを影ながらいつも心配している「兄」の存在も。兄の口調(手話)はいつも言葉汚く、強い物言いなのだが、すべては妹の未来を思ってのことなのだと思うと、その言葉も照れ隠しであり兄がとても魅力的にみえてくる。
2つ目は、ルビーがデュエット相手と喧嘩してしまった時の仲直りの方法が男前でとてもスカッとすること! このシーンも作品の見どころの1つだろう。
最後に、先生という職業の魅力がどのシーンを切り取っても感じられること。生徒の才能を見つけ出し、可能性を信じて最後まで応援する姿がかっこいい。

不安や悩みがつきものの人生。そんな人生の選択に迷い、悩んだ時に心強い味方になってくれる1本だ。

(文/杉本結)

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『コーダ あいのうた』
1/21(金)より全国公開中

監督・脚本:シアン・ヘダー
出演:エミリア・ジョーンズ、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、マーリー・マトリン ほか
配給:ギャガ GAGA★

原題:CODA
2021/アメリカ/112分
公式サイト:https://gaga.ne.jp/coda/
© 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS

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