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ヴィランになったお姫様『ビルド・ア・ガール』

『ビルド・ア・ガール』 10月22日(金)公開

『ブリジット・ジョーンズの日記』製作陣が作家・コラムニストのキャトリン・モランの半自伝的小説を映画化。
舞台はオアシス、ブラー、プライマル・スクリーム、ハッピー・マンデーズやマニック・ストリート・プリーチャーズといった人気バンドが、ロックシーンに旋風を巻き起こした 90 年代前半のイギリス。
冴えない高校生の主人公ジョアンナが辛口音楽ライター"ドリー・ワイルド"として失敗を繰り返しながらも、がむしゃらにチャレンジしていく姿が描かれた青春ストーリーだ。

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冴えないいじめられっ子のジョアンナは定番のヒロインとは全然違う女の子。そんな彼女が辛口ライター"ドリー・ワイルド"に変身した姿はまるでディズニー映画の悪役ヴィランのようにどこからみても周囲とは一線を越えた異様な雰囲気を醸し出している。
辛口ライターとして過激な記事を書くことで地位や名声、貧乏だった生活にお金までも手にすることになる。その反面で彼女は大切なものを失っていくことになる。

主人公はその時のノリや衝動で様々な失敗をする。学歴や家族や友人、大切な人との絆を失う中で、本当に自分が大切にすべきものに気づいていく。
失敗に気がついた時、どんな風に軌道修正したらいいのか? まず最初にすべきことはなんだろう。という、人生において年齢関係なく参考になるラストの展開にすっきりとした。

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本作の内容は一見ぶっとんでいるようにも見えるけれど、人生という冒険の失敗の一例として楽しくみながら学ぶべきこともあった。失敗を恐れずにできるのはなにも知らない10代という若さゆえ。若いから許されることがあってはいけないのか? 実際、若さゆえの過ちはその後大人になっていくに連れて誠実にその失敗と向き合っていければ、いくらでも軌道修正は可能である。

正解だけを選んで歩む人生なんてきっと退屈で、人間たまにははめを外したり、ダメだとわかっている道に進みたくなることもあるだろう。若さゆえ、考えが至らず......理由はなんであれ、そんなどん底から這い上がる究極の自分作りサクセスストーリーとなっている。
ただのハイスクール青春映画とは言えないほどの気づきをくれる作品だった。

(文/杉本結)

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【サブ③】10月22日(金)公開映画『ビルド・ア・ガール』.jpg

『ビルド・ア・ガール』
10月22日(金)公開

監督:コーキー・ギェドロイツ
出演:ビーニー・フェルドスタイン、パディ・コンシダイン、サラ・ソルマーニ、アルフィー・アレン ほか
配給:ポニーキャニオン=フラッグ

2019/イギリス/105分
公式サイト:https://buildagirl.jp/
(C)MONUMENTAL PICTURES, TANGO PRODUCTIONS, LLC,CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, 2019

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