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金魚すくい漫画原作×ミュージカルの化学反応『すくってごらん』

『すくってごらん』 3月12日(金)より公開中

歌舞伎界のプリンス尾上松也とももいろクローバーZのリーダー百田夏菜子。共に映画初主演というフィールドの違う2人がみせる化学反応が、原作からは全く想像出来ない形で映画化されている。

原作は、大谷紀子の同名タイトルの漫画である。原作漫画ではまるで『ちはやふる』を読んだ時のような気持ちが再来する。というのも、百人一首がスポーツだったのか!?と思った時のように本作では「金魚すくい」がスポーツとして登場するのだ。

映画では、スポーツとしての金魚すくい感は少し薄まっている。ではどんな演出で楽しませてくれるのかといったら、とにかく歌う!歌う!歌う!
歌のジャンルもまさかの尾上松也のラップが聞けたり、百田のピアノ演奏シーンが見られたりととにかく楽しい。朝ドラ「エール」の出演が印象的だった柿澤勇人が本作でも重要な役どころを演じている。そしてミュージカル俳優というだけあり安定の歌唱を披露している。

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飽きる時間はなく、常に新しい刺激で楽しませてくれる。映画だけど舞台をみにいったような感覚になる演出のひとつが、「休憩時間」が映画の中に存在することだ。映画の休憩時間として私が知っているのは『タイタニック』。上映当時は3時間の尺の映画は珍しく、途中休憩時間があった。そして発売されたビデオも前編と後編の2本だった。あとは『しまじろう』など子供向けの映画の途中休憩くらいしか体験したことがない。本作は休憩だからといってどこかに行く人が現れるようなものでもないからまた面白い。90分程度の時間のちょうど半分でこのような時間を設けているという挑戦が憎めない。

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そんな仕掛けだらけの映画だからあっという間の90分。
ロケ地となっている奈良県の景色も作品と良くマッチしていて趣があり素敵だった。
鑑賞途中までは正直みなれないタイプの映画への戸惑いが大きいが後半からは次はなにが起きるんだろうと楽しみになっている自分がいたりして、最終的には楽しんでいた。
(文/杉本結)

***
『すくってごらん』
3月12日(金)より公開中

監督:真壁幸紀
出演:尾上松也、百田夏菜子、柿澤勇人、石田ニコル ほか
配給:ギグリーボックス

2021/日本映画/92分
公式サイト:https://sukuttegoran.com/
(c)2020映画「すくってごらん」製作委員会 (c)大谷紀子/講談社

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